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おぐえもん
大学に通う理系学生です♪Webサイトやチラシ、冊子などのデザインや、システム開発などの経験があります。音楽が好きで、渋谷系サウンドが好物です!
たぶん今すぐ使えるテクニックから、きっと全く使えない豆知識まで。

正則行列と逆行列

掛け合わせることで割り算のような効果をもたらす行列「逆行列」について扱います。

おぐえもん

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線形代数解説の定番サイト。大学1年生どころか再履のアホでも分かる丁寧な説明が特長。1年生前期〜後期の授業で学ぶ範囲を扱います。

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

前回の記事では、行列同士の計算方法について解説しました。

さて、高校数学において、ある数(スカラー)\(a\)に対して\(\frac{1}{a}\)を逆数と呼び、これをある数に対して掛け合わせることで、割り算と同等の効果をもたらすことができることを学習したと思います。実は、行列についても、乗算をすると割り算をしたみたいになる「逆行列」という行列があります。今回は逆行列に関するお話をしたいと思います。

ここで、正則行列や逆行列は、正方行列(行数と列数が同じ行列)について適用される話であることに注意しましょう。つまり長方形の行列については考えません。

目次(クリックで該当箇所へ移動)

正則

正方行列について、掛け合わせると単位行列\(E\)になるシチュエーションを考えます。

正則行列

\(n\)次正方行列\(A\)について、
$$AB=BA=E$$
となる\(n\)次正方行列\(B\)が存在するとき、\(A\)は正則行列という。

例えば、
$$
\left(
\begin{array}{cc}
3 & 5 \\
4 & 7
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{cc}
7 & -5 \\
-4 & 3
\end{array}
\right)=
\left(
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right)\\
\left(
\begin{array}{cc}
7 & -5 \\
-4 & 3
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{cc}
3 & 5 \\
4 & 7
\end{array}
\right)=
\left(
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right)\\
$$
なので、
$$
\left(
\begin{array}{cc}
3 & 5 \\
4 & 7
\end{array}
\right)
$$
は正則行列ということができます。もちろん、視点を変えると、掛け合わせた相方もまた正則行列です。

わざわざ「正則行列」なんて言葉が用意されていることから察せるように、正方行列は必ずしも正則行列じゃないのですよね。

例えば、
$$
\left(
\begin{array}{cc}
4 & -6 \\
-2 & 3
\end{array}
\right)
$$
はどうあがいても正則ではありません。(掛けて\(E\)になる行列を頑張って探しても無駄ですよ笑)

このように、正則行列である条件、正則行列でない条件などについては後の記事で扱います。

逆行列

正則行列に掛け合わせるとEになる行列を逆行列と言います。要は正則行列の相方です。

逆行列

\(n\)次の正則行列\(A\)について、
$$AB=BA=E$$
となる\(n\)次正方行列\(B\)を逆行列といい、\(A^{-1}\)で表す。

ちなみに、逆行列は正則行列1つにつき、1つしかありません。

逆行列はいつも一つ!

\(n\)次の正則行列\(A\)に対して、複数の逆行列が存在すると仮定し、その中の2つを\(B,B’\)とする。
この時、\(AB=BA=E\)と\(AB’=B’A=E\)が同時に成り立つ。
$$B’=B’E=B'(AB)=(B’A)B=EB=B$$
というわけで、\(B\)以外の逆行列として挙げた行列は結局\(B\)と同じものなので、逆行列は\(B\)しかない。

逆行列は、行列を\(E\)にする強い存在で、かなり重要な行列です。何記事かあとで、逆行列の求め方を扱います。

逆行列の性質

逆行列にはいくつかの性質を持ちます。
まず、

\(A\)と\(B\)が\(n\)次の正則行列ならば、\(AB\)も正則で、
$$(AB)^{-1}=B^{-1}A^{-1}$$

が成立します。括りをバラそうと思うと、掛け算の順番が入れ替わるのですね。
実際に\(AB\)との掛け算を試みると、内側から次々と\(E\)が錬成されて消えていくのがわかります。
【右から掛けてみる】
$$(AB)(B^{-1}A^{-1})=A(BB^{-1})A^{-1}=AA^{-1}=E$$
【左から掛けてみる】
$$(B^{-1}A^{-1})(AB)=B^{-1}(A^{-1}A)B=B^{-1}B=E$$

そして、

\(A^{-1}\)の逆行列\((A^{-1})^{-1}\)は\(A\)

という性質も持ちます。これはもはや視点を変えただけの話です。(正則行列の逆行列もまた正則行列だし、その逆行列はもとの正則行列)
あえて式を書くなら
$$
A^{-1}A=E\\
AA^{-1}=E
$$
より、\(A^{-1}\)の逆行列は\(A\)です。

おわりに

今回は、逆行列とは何なのかや、逆行列がもつ性質について学習しました。

次回の記事では、少し話を変えて、注意すべき行列の性質を、スカラーとの比較を交えながら解説したいと思います。

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>>掛け算の入れ替え禁止!?注意すべき行列の性質