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おぐえもん
大学に通う理系学生です♪Webサイトやチラシ、冊子などのデザインや、システム開発などの経験があります。音楽が好きで、渋谷系サウンドが好物です!
たぶん今すぐ使えるテクニックから、きっと全く使えない豆知識まで。

【ベクトル編】3次元空間と位置ベクトルと座標系

「座標×ベクトル」をテーマに掲げて、馴染み深い3次元座標をベクトルを使って作る方法について解説します。キーワードは位置ベクトルと基本ベクトル。

おぐえもん

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線形代数解説の定番サイト。大学1年生どころか再履のアホでも分かる丁寧な説明が特長。1年生前期〜後期の授業で学ぶ範囲を扱います。

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

前回の記事では、ベクトルの内積と外積について解説しました!

今回は、打って変わって「座標×ベクトル」をテーマに掲げ、馴染み深い3次元座標をベクトルを使って作る方法について解説します。

目次(クリックで該当箇所へ移動)

原点と位置ベクトル

3次元空間について色々考えるとき、ある「点」の位置を確実な方法で表現したくなります。
しかし、何もない空間の中で、ここがどこなのかを表現するのは簡単じゃありません。
例えば宇宙の中で、地球がどこにあるのか厳密に説明できませんもんね。

数学では、そのような問題に対して、「位置表現の基点を設定する」という解決策を見出しました。
絶対に動かない点(原点O)を勝手に用意して、全ての点を「原点Oからの位置」で表現すると確実です。

ベクトルを3次元空間に持ち込むと、「ある点P」の位置を、基点Oから点Pへ伸びるベクトル\(\vec{OP}\)で表現できます。
このように、ある点の位置を表現するベクトルを位置ベクトルと呼びます。

位置ベクトルは、原点から「どの向き」に「どの長さ」進めば点に到着するかを表します。ですので、普通のベクトルと同じく向きと長さの情報しか持たないのですがその役割をしっかり果たしてくれます。

全部の点を何本かの共通するベクトルで表したい!(基本ベクトル)

これで、3次元空間上にある全ての点の位置を「原点+1本のベクトル」で表現できるようになりました。
しかし、これではまだまだ不便です。というのも、「位置の比較」が難しいのですよね。

異なる位置にある点にそれぞれ対応する位置ベクトルは、向きも長さも様々です。頑張れば比較できなくもないですが、もっと簡単にできそうです。
簡単にする方法の1つに、「全ての点の位置を、少ないベクトルのスカラー倍と和で表現する」ことがあります。
あらかじめ数本のベクトル\(\vec{a},\vec{b},\vec{c}\)を用意しておいて、全部の点の位置ベクトルをそのベクトルの組み合わせ\(x\vec{a}+y\vec{b}+z\vec{c}\)で表現すると、3つの実数\((x,y,z)\)の組み合わせだけで位置を表現できて便利です。

3次元空間上の点の位置は、「3本のベクトル」を都合よく選ぶことで全ての位置を余すことなく表現できます。
そのようなベクトル\(\vec{a},\vec{b},\vec{c}\)を基本ベクトルと呼び、原点と基本ベクトルの組み合わせ\(\{O:\vec{a},\vec{b},\vec{c}\}\)を座標系と言います。

ちなみに、点Pの位置ベクトル\(\vec{OP}\)を表現する3つの実数の組み合わせ、\((x,y,z)\)を、Pの成分と呼びます。

高校までで習ってきた「xyz座標空間」なんてものは、まさにこの考え方に基づいて生み出された概念です。

1次独立と1次従属

3次元空間上の全ての位置は「3本のベクトル」で表現できると言いましたが、これには「都合よく選ぶことで」という条件がついています。適当に3本選べば良いってわけじゃないんですよね。

3本選んでもダメな例が、「3本のうち1本が他の2本のスカラー倍と足し算で表現できる」とき。これって、点の位置を実質2本のベクトルで表現することになるので、2本のベクトルが織りなす平面上の点にしか対応できません。ちなみに、このような3つのベクトルは1次従属と言います。詳しくは昔の記事に書いてます。

逆に言えば、1次従属でない3本のベクトルを持ってこれば良いのです。このような3本のベクトルを1次独立と言います。

1次独立は、「3本の中のどの1本も、他の2本のスカラー倍と足し算で表現できない」ことを言うのですが、これを数式にすると次のようになります。

1次独立

ベクトル\(\vec{a},\vec{b},\vec{c}\)が1次独立
\(\Leftrightarrow\)
\(\lambda\vec{a}+\mu\vec{b}+\nu\vec{c}=\vec{o}\)を満たす実数\(\lambda,\mu,\nu\)の組み合わせは、\((\lambda,\mu,\nu)=(0,0,0)\)しか存在しない。

ちなみに、2次元平面だったら、1次独立な2本のベクトルを用意することで、平面上の全ての位置を表現できるようになります。

直交座標系

これで、少ない本数のベクトルで簡単に位置を表現できるようになりました。けれど、まだなんか物足りませんよね?
そうです、3本のベクトルはあっちこっち向いてるわけです。ベクトルが中途半端な角度をなしている状態は、使いやすさや分かりやすさを考えるともう一声といった感じです。
さらに、ベクトルの長さがバラバラだと、成分の値の大小をどう捉えれば良いのかもよく分かりません。

そこで、「互いに直角を向いていて」「長さが同じ」のベクトルを3本選ぶことにしましょう。

長さが1で、互いに垂直な3ベクトルで構成された座標系\(\{O:\vec{a},\vec{b},\vec{c}\}\)のことを直交座標系と呼びます。
空間座標の世界では、分かりやすさや使いやすさから、もっぱら直交座標系がガンガン使われています。

考えてみれば、高校までのxyz座標空間も、x軸・y軸・z軸は互いに直交していましたし、長さの単位はx,y,zに関係なく同じでした。

今まで習ってきた「座標」の概念は、こうした形でベクトルと結びついてきたんだなと分かってもらえると今回の記事の目標は達成です!

おわりに

今回は、3次元空間上の点の位置をベクトルを使って表現することを目指し、そこから「座標系」とはなんたるやについて解説していきました。
このように、ベクトルは空間座標に絡めても利用することができるので本当に汎用性が高いですよね。

次回の記事では、ベクトルを使って直線や平面などを表現したり、面積や体積を求めたりします!

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