【粉河寺】巨大な本堂と絶対秘仏の観音像(西国#3・和歌山)

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

今回は、西国三十三所の第三番、粉河寺和歌山県)へ行ってきた記録です!

参拝日滞在時間
2018年12月23日(日・祝)約50分(10:40〜11:30)

粉河寺とは?

粉河寺とは、和歌山県北部の紀の川市にある寺院です。今から 1200 年以上前の西暦 770 年に創建されたと伝えられています。昔から知名度・規模ともに大きく、戦国時代には広大な土地と強大な武力を誇っていたと言われています。

粉河寺は、駅を出た近くにあり、アクセスは簡単です。寺院の境内も平坦なので、ものすごく参拝しやすいです。

粉河寺のここがすごい!

西国三十三所の中でもっとも大きな本堂!

粉河寺の本堂は非常に大きく、西国三十三所のお堂の中で最大です。しかも、その形も極めて独特で、まるでお城のような不思議な姿をしています。ちなみに、本堂は江戸中期に建てられ、重要文化財に指定されています。

お城のような見た目の正体は、礼拝を行う「礼堂」としての機能をもつ部分と、仏像などを格納する「正堂」としての部分で屋根の作りが異なるからです。

実際に眺めると複雑ながら建築物として成立している屋根の構造に感動すると思います(笑)

一度も公開されたことがない絶対の秘仏!

仏像の多くは、参拝者の前に目に見える形で鎮座しています。しかし中には参拝者からは隠されている「秘仏」と呼ばれる仏像があります。秘仏についても、普段こそ見られませんが、月に一度や(数)年に一度など、どこかのタイミングで公開される場合がほとんどです。

しかし、粉河寺の本尊である千手観音像は、なんと、今まで一度も公開されたことがありません。数百年以上に亘って、誰もその姿を拝んだことがないのです(もちろん写真も一切ありません)。

こうした「絶対の秘仏」を置く多くの寺院は、秘仏とほぼ同じ造形の「お前立ち」という仏像を代わりに公開するものなのですが、粉河寺ではお前立ちすら絶対に公開しない徹底ぶり。

ものすごく長い歴史の中で誰にも見られることなく眠る仏像に思いを馳せることができるのも粉河寺の魅力の一つだと思います。

公共交通での行き方

粉河寺へのアクセスはものすごく簡単です。難点を強いて言うなら、粉河寺の最寄り路線である「和歌山線」が 30 分〜1 時間に一本しか運行していないことでしょうか。

粉河寺へ向かった方法(日曜)

和歌山駅から、和歌山線に乗り換え、30 分くらい揺られて粉河駅で下車。

そこから北へ(駅を出てまっすぐに)徒歩 10 分(約 1km)。

駅の正面から神社まで参道が続いているので、道に迷うことはありません。

旅行記録(写真集)

駅から続く参道を抜け、小さな橋を渡ると、お寺の入り口に佇む「大門」が現れます。重要文化財に指定されていて、楼門としては和歌山県屈指の大きさを誇ります。深い紅の配色がカッコイイ!

大門を抜けると、石畳の広い道が続き、構内の案内が目に入ります。粉河寺は基本的に一本の道に沿って様々な仏閣などが佇んでいるので、比較的見逃しが少ないです。

しばらく歩くと、広い空間が現れます。そこには、地元の団体などによる記念碑などが置かれていて、粉河寺に対する地元の方々の思いが伝わります。そういえば、粉河寺は境内が充実しているのに他の多くの寺院と違って拝観料が無料なのですが、これも地元の方々の頑張りによるものなのでしょうか。

広い空間の先には「中門」があります。こちらも大門と同じく重要文化財です。大門と違って、木材(ケヤキ)の質感が存分に現れて渋いです。門の両端には金剛力士像(阿行と吽行のコンビ)が置かれがちですが、ここでは門の左右&裏表の 4 スペースに仏教の四天王が配置されています。

中門の先は一段高くなっていて、そのあと更に階段を登ると本堂が現れます。上の写真は下から映したものなのですが、中門と本堂の間の段差に多くの石や植物が美しく組まれているのが見えます。これらには「粉河寺庭園」という名前がつけられ、国の名勝に指定されています。狭い空間に見事な石庭が造られている様子は圧巻!(写真よりもっとすごいんで直接見て欲しい!)

こちらは本堂を真正面からズームしたものです。巨大な規模・複雑な構造・木材の質感が合わさって雰囲気ムンムンです。真ん中の提灯に書かれている通り、ここでは「千手観世音」(千手観音)が本尊として祀られているのですが、この仏像が過去に公開された記録は一切なく、焼失防止などの理由から本堂の地中に埋められているとされています。

粉河寺では、本尊のみならず、本尊の代わりに公開されがちな「お前立ち」という仏像まで一切非公開です。

じゃあ観音さんを拝めねぇじゃねーか!ってなるのですが、知る人ぞ知る裏技があります。本堂の裏側に回るのです。

実は、本堂の裏側には千手観音像が祀られていて、障子の 1 ブロックだけ空いているところからその姿を拝むことができるのです。やったね!ちなみに、このような観音像を「裏観音」というそうですよ。

お賽銭を入れて拝み、そのついでに障子の中を必死に覗いたのですが、お身体こそ見えど、頭部はどうしても死角に入り見ることができませんでした。裏観音すら全貌を捉えられないなんて厳しスギィ!

さいごに

今回は西国第三番の粉河寺についての記事でした。

ケヤキ材の木目が目立つ造形たち、岩と植物を見事に配置した境内の姿は非常に渋かったです。また、主要な造形はどれも大きな規模感を持っていて仏閣としての存在感を放っていました!全体的に雰囲気の調和が取れた上手な作りだなと思いました。

次回は、お寺までの道が険しすぎることで有名な、西国第四番の施福寺です!

【槇尾山 施福寺】お寺へ参る難しさは西国トップ?(西国#4・大阪)
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