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おぐえもん
大学に通う理系学生です♪Webサイトやチラシ、冊子などのデザインや、システム開発などの経験があります。音楽が好きで、渋谷系サウンドが好物です!
たぶん今すぐ使えるテクニックから、きっと全く使えない豆知識まで。

【ベクトル編】内積と外積を成分で導く

ベクトルの内積と外積をベクトルの成分を用いて求めます。途中式こそカオスですが、なんだかんだで綺麗な式に落ち着くのが素晴らしい!

おぐえもん

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線形代数解説の定番サイト。大学1年生どころか再履のアホでも分かる丁寧な説明が特長。1年生前期〜後期の授業で学ぶ範囲を扱います。

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

今回は、ベクトルの内積と外積を、ベクトルの成分を用いて求める方法を説明したいと思います。ちなみに今回で「ベクトル×幾何学」のお話は最終回です。

今回の記事の前提

ここでは、3次元空間における直交座標系\(\{O: \boldsymbol{x}, \boldsymbol{y}, \boldsymbol{z}\}\)を考えます。直交座標系とは、基本ベクトルが全て互いに直角をなしていて、かつ長さが全部1のような座標系のことですね。

さらに、2つのベクトル\(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}\)の成分をそれぞれ、\((a_x, a_y, a_z), (b_x, b_y, b_z)\)とします。
つまり、次の式が成り立つような状況です。
\(
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{rl}
\boldsymbol{a} &= a_x\boldsymbol{x}+ a_y\boldsymbol{y}+ a_z\boldsymbol{z}\\
\boldsymbol{b} &= b_x\boldsymbol{x}+ b_y\boldsymbol{y}+ b_z\boldsymbol{z}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\)

目次(クリックで該当箇所へ移動)

ベクトルの内積

\((\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b})\)の値をゴリゴリ計算していきます。
ここで、内積の分配法則的な性質や、直角な2ベクトルの内積が0になる性質などを活用していくことで、式を簡単化していきます。

ベクトルの内積の計算

\(
\begin{eqnarray}
(\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b})&=&(a_x\boldsymbol{x}+ a_y\boldsymbol{y}+ a_z\boldsymbol{z}, b_x\boldsymbol{x}+ b_y\boldsymbol{y}+ b_z\boldsymbol{z}) \\
&=&(a_x\boldsymbol{x},b_x\boldsymbol{x})+(a_x\boldsymbol{x},b_y\boldsymbol{y})+(a_x\boldsymbol{x},b_z\boldsymbol{z}) \\
&&+(a_y\boldsymbol{y},b_x\boldsymbol{x})+(a_y\boldsymbol{y},b_y\boldsymbol{y})+(a_y\boldsymbol{y},b_z\boldsymbol{z}) \\
&&+(a_z\boldsymbol{z},b_x\boldsymbol{x})+(a_z\boldsymbol{z},b_y\boldsymbol{y})+(a_z\boldsymbol{z},b_z\boldsymbol{z}) \\
&=& a_xb_x|\boldsymbol{x}|^2+a_yb_y|\boldsymbol{y}|^2+a_zb_z|\boldsymbol{z}|^2 \\
&=& a_xb_x+a_yb_y+a_zb_z
\end{eqnarray}
\)

2行目は1行目を愚直に展開しただけなのでおぞましいことになっていますが、異なる基本ベクトル同士の内積は0になるので、大半が消えてくれます。そして、同じ基本ベクトル同士の内積は、基本ベクトルの大きさの2乗となるのですが、大きさは「1」ですので、成分だけが式に残る形となります。

よって、内積を成分で表すと次のようになります(再掲)

ベクトルの内積

\((\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b})= a_xb_x+a_yb_y+a_zb_z\)

要は、同じ軸の成分を掛け算した数字を異なる軸同士で足し合わせるだけです。

ベクトルの外積

外積はもっと複雑です。
というのも、内積と同じように分配法則的な性質を用いて展開した上でゴリゴリ計算してもあまり綺麗にならないのです。

ベクトルの外積の計算

\(
\begin{eqnarray}
\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b}&=&(a_x\boldsymbol{x}+ a_y\boldsymbol{y}+ a_z\boldsymbol{z}) \times (b_x\boldsymbol{x}+ b_y\boldsymbol{y}+ b_z\boldsymbol{z}) \\
&=&(a_x\boldsymbol{x} \times b_x\boldsymbol{x}) + (a_x\boldsymbol{x} \times b_y\boldsymbol{y}) + (a_x\boldsymbol{x} \times b_z\boldsymbol{z}) \\
&&+(a_y\boldsymbol{y} \times b_x\boldsymbol{x}) + (a_y\boldsymbol{y} \times b_y\boldsymbol{y}) + (a_y\boldsymbol{y} \times b_z\boldsymbol{z}) \\
&&+(a_z\boldsymbol{z} \times b_x\boldsymbol{x}) + (a_z\boldsymbol{z} \times b_y\boldsymbol{y}) + (a_z\boldsymbol{z} \times b_z\boldsymbol{z}) \\
&=&(a_x\boldsymbol{x} \times b_y\boldsymbol{y}) + (a_x\boldsymbol{x} \times b_z\boldsymbol{z}) \\
&&+(a_y\boldsymbol{y} \times b_x\boldsymbol{x}) + (a_y\boldsymbol{y} \times b_z\boldsymbol{z}) \\
&&+(a_z\boldsymbol{z} \times b_x\boldsymbol{x}) + (a_z\boldsymbol{z} \times b_y\boldsymbol{y}) \\
&=&a_xb_y\boldsymbol{z} + a_xb_z(\boldsymbol{-y}) \\
&&+a_yb_x(\boldsymbol{-z}) + a_yb_z\boldsymbol{x} \\
&&+a_zb_x\boldsymbol{y} + a_zb_y(\boldsymbol{-x}) \\
&=&(a_yb_z – a_zb_y)\boldsymbol{x} + (a_zb_x – a_xb_z)\boldsymbol{y} + (a_xb_y – a_yb_x)\boldsymbol{z}
\end{eqnarray}
\)

キモスギィ!
今度は、「同じ基本ベクトル同士の外積」が0となって消えます。そして、異なる基本ベクトル同士の外積は、残りの基本ベクトルのプラマイの方向を向くことになります。
そうしてガンガンまとめていくと、一番下の式になるわけですね。

ちなみに、一番下の式の形、なんかそれっぽいものを以前に見ましたよね?
そうです、2×2行列の行列式の定義式っぽいですよね?

外積は、次のように行列式の形で表すことができます。

ベクトルの外積と行列式

\(
\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b}=
\left|
\begin{array}{cc}
a_y & a_z \\
b_y & b_z
\end{array}
\right|\boldsymbol{x}
+\left|
\begin{array}{cc}
a_z & a_x \\
b_z & b_x
\end{array}
\right|\boldsymbol{y}
+\left|
\begin{array}{cc}
a_x & a_y \\
b_x & b_y
\end{array}
\right|\boldsymbol{z}
\)

しかもこれ!最終的に1つの大きな行列式になるんですよね!

ベクトルの外積と行列式(1つの行列式にまとめる)

\(
\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b}=
\left|
\begin{array}{ccc}
\boldsymbol{x} & \boldsymbol{y} & \boldsymbol{z} \\
a_x & a_y & a_z \\
b_x & b_y & b_z
\end{array}
\right|
\)

実際計算してみると、確かに成り立つことが確かめられますので、紙と鉛筆を使って計算してみてください〜

ちなみに、行列式は基本スカラーと今まで言ってきましたが、この行列は、行列の中にさらにベクトルが入っている構造になっているので、行列式を計算しても中のベクトルが生き残るために最終的にベクトルとなります。まあ外積なのでベクトルにならないと困るのですけど笑

おわりに

今回は、ベクトルの内積と外積をベクトルの成分を用いて表す方法について説明しました。いずれも途中式がグロテスクなことになっているのですが、結局使うのは最後の簡単な式だけですので、少なくとも最後の式だけでも記憶に留めておいてください!

これでひとまずベクトル×幾何学に関するお話はおしまいです!