副業マンが会社を辞めず個人事業主になる利点&開業手続きの簡単な方法(#30)

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

私、普段は会社で働いてますが、このブログでちょっとばかりの広告収入をいただいたり、Web サイトや動画の制作なども(まれに)やってます。

そろそろこれらの活動(副業)に本腰を入れるため、さっそく個人事業主になることにしました

このサイトに訪れている人の多くは、

  • 個人事業主って何?
  • 個人事業主になって意味あんの?
  • サラリーマンが個人事業主ってアリなん?
  • 個人事業主になるの面倒臭くない?

って感じだと思うので、今回は会社員をやりながら個人事業主を兼ねることにした私の経験を踏まえてこれらを解説したいと思います。

先に結論から

まずは ↑ の疑問に対する答えをサクッと答えたいと思います。

  • Q. 個人事業主って何?
    • A. いわゆる自営業者、つまり個人経営の八百屋さんみたいな、個人の形態で事業(ビジネス)営む人です!
  • Q. 個人事業主になって意味あんの?
    • A. 同じ収入でも、会社員オンリーの人より税金が安くなります!
  • Q. サラリーマンが個人事業主ってアリなん?
    • A. アリアリのアリです!
  • Q. 個人事業主になるの面倒臭くない?
    • A. 自宅で深夜にできるくらい簡単でした!

個人事業主とは?

Q. 個人事業主って何?

個人事業主とは、簡単に言うと個人でビジネスをやっている人です。

自分でビジネスを始めるには会社を立ち上げる必要があるんじゃないかって??そんなことないんですよね。

例えば、家族で営んでいる小さな八百屋さん。毎日野菜を売っていて明らかに商売をやってますが、あの人らは必ずしも会社を立ち上げているわけではありません。

彼らは、税務署に「開業届」というものを提出していて、会社を作らずとも本格的な商売をやっているわけです。こうした人を個人事業主といいます。自営業者ともいいますが、この方が馴染み深いかも知れません。

個人事業主をやっている人は、他にも、

  • 町の小さなお店の店主
  • フリーランス(エンジニア、ブロガー、写真家、など)
  • 芸能人

など、たくさんいます!

総務省統計局の労働力調査によると、2021 年 6 月現在、個人事業主の人数は、事業を手伝っている家族も含めると674 万人にのぼるそうです。これは全就業者の 10%程度です。

ちなみに、↑ にあげた職業の人の中でも、めちゃくちゃ稼いでいる人などは、会社を立ち上げている場合もあります。

個人事業主にはメリットがあります

Q. 個人事業主になって意味あんの?

同じ収入でも、ふつう会社員オンリーの人より税金が安くなります!なぜなら、個人事業主になることで必要経費というものが認められるからです。

所得税の金額は、収入の大きさに応じて増えていきますが、この計算から「仕事のために使ったお金」を除外することになっています。仕事に欠かせない支出分の金額にも課税するのは可哀想と考える国のやさしさです。

この除外、収入が給料なのか、自営業で得たお金なのかによって名前も金額も異なります。

  • サラリーマンの給料(給与所得)→給与所得控除
  • 自営業で得たお金(事業所得)→必要経費

ちなみに、個人事業主でない状態で副業収入をもらっていても、それは事業所得の扱いを受けず、悲しいことに ↑ の除外は 1 円もありません。

サラリーマンの給料に対して適用される給与所得控除の金額は、給料の額に応じて一定です。例えば、年収 400 万円の人の場合、124 万円です。仕事のためにどれだけお金を使おうが、124 万円以上の出費は考慮されません!!あなたの給与所得控除金額を ↓ の表を使って調べてみよう!(出典:国税庁 HP

一方、個人事業主が自営業で得たお金に適用される必要経費の金額は、実際に出費した金額そのものが適用されます!

例えば、仕事で使う知識を得るための書籍代、客先への移動に使う自動車代、仕事場を兼ねている自宅の家賃の一部…

サラリーマンならばこれらのお金が税額に一切影響しませんが、個人事業主は、事業に関するこれら全てを「必要経費」として税金計算から除外できる、つまり税金を支出に応じて抑えることができます。「必要経費」の金額は、サラリーマンと違って定額じゃないどころか、上限すらありません。

詳しい説明は割愛しますが、個人事業主にはこの他にも税金面で有利なルールがいくつかあります。

同じ金額稼いでも、サラリーマンよりも税金が少なく済む、つまり手取りの収入が増えるというのが個人事業主のメリットです!

サラリーマンでも開業できます!

Q. サラリーマンが個人事業主ってアリなん?

アリです!!サラリーマンと個人事業主(=自営業者)は、どちらか一方を選ばないといけないと誤解されがちですが、両立できます!

つまり、普段はサラリーマンとして働いて、休日などの空いた時間に個人事業主としても収入を得るという働き方です。これを人は副業と呼びます。

実は同じ収入でも、

  • サラリーマンの給料一本で得るとき
  • サラリーマンの給料と副業収入の足し算で得るとき

だと、後者の方がお得です!

なぜならば、サラリーマンの(ほぼ)全員が入っている社会保険(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)の保険料は、収入の大きさによって決まりますが、副業収入の大きさは関係しないからです!

「サラリーマンの給料で年収 500 万円の人」と、「サラリーマンの給料は年収 400 万円だけど、副業収入が 100 万円の人」で社会保険料の金額を比べてみましょう。

  • サラリーマン給料が年収500万円の人
    • 「500 万円」に基づいて保険料が計算されます。
      約 73.6 万円(健康保険:25.3 万円+厚生年金保険:46.8 万円+雇用保険:1.5 万円)
  • サラリーマン給料は年収400万円、副業収入は100万円(合計で年収500万円)の人
    • サラリーマン年収「400 万円」のみに基づいて保険料が計算されます。
      約 57.5 万円(健康保険:19.7 万円、厚生年金保険:36.6 万円、雇用保険:1.2 万円)

※同じ年収でも、年度始めの収入やボーナスの額などによって社会保険料の負担が異なるので、参考に留めてください!

↑ の例でも、15 万円くらいの差が生まれました。この差は副業の比率が高いほどに大きくなります。

ちなみに、サラリーマンを辞めて個人事業主一本になると、逆に不利になります。なぜなら、サラリーマンの社会保険料は会社が約半額を支払ってくれるのに対して、個人事業主向けの社会保険料は全額自腹で払う必要があるからです。

自腹の社会保険料に対して保証が手厚いのはサラリーマンのメリットです。このメリットを享受しながらも、稼ぎの合計に対する社会保険料を抑えることができるのが、サラリーマン&個人事業主の合わせ技の強みの一つです。

開業届、めちゃくちゃラクでした!

Q. 個人事業主になるの面倒臭くない?

個人事業主になるためのステップは次の通りです。

  1. 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を書いて税務署に提出する。
  2. おわり。

たったこれだけです。会社の設立と違って本当に一瞬で終わります。

開業届は、A4 用紙 1 枚(控を含めると 2 枚)だけのシンプルなフォーマットで、書く内容もそれほど多くありません。そして、手続きは完全無料です!本当にいますぐできます!!

↑ が実際の書類です。なんだか書くことが多そうに見えますが、ほとんどの人はこの中のちょっとした項目に記入するだけで OK です!

詳細は国税庁の HP に書かれています。

ここまで読んで、

え?税務署に行かないといけないの??平日の昼間は仕事してるから厳しいな〜

なんて思った方、いませんか?ほとんどの税務署は、平日の 8:30〜17:00 のみの受付なので、サラリーマンが行くには有給を取るなどの必要があります。

しかし!!実は、税務署に行かなくとも、いつでもどこでも開業できます!!スマホとマイナンバーカードがあれば、全てをインターネットで完結させることができるのです。21 世紀の文明に感動 😭

そんな最新科学を粋を集めた超絶便利システムが「freee 開業」です。

freee は、もともとは会計ソフトの会社です。会計ソフトのメインユーザは、税務申告のために決算書を作る個人事業主たちなので、開業時から囲い込もうという魂胆なのでしょう。しかし、本当に便利なので、私もこのサービスで開業手続きを進めました。

このサービスのポイントは次の通り。

1. 簡単な質問に答えるだけで提出書類が完成する

このような質問にサクサク答えていくことで開業届に記入する内容がどんどん出来上がっていきます。

開業届を直接記入すると、「この項目って記入すべき…?」って悩むことがあるんですが、このサービスを利用すれば、質問に応じて勝手に記入の有無を判断してくれるので、本当に楽です。

2. Web上で書類を提出できる

マイナンバーカードを持っているならば、freee のスマホアプリ上で開業届の提出ができます。スマホのカードリーダ機能を使ってカードを読み込むことで認証するんです。最近の文明、すごくないですか??

これのおかげで、深夜でも、自宅でも開業届の提出ができるのがめっちゃ便利です!

ちなみに、マイナンバーをスマホで読み取るのが怖い人のために、郵送 or 直接提出する選択もあるので安心してください!このとき、開業届が PDF 出力されるので、十分に便利です!

3. 青色申告の申請も一緒にできる

ここまで触れませんでしたが、個人事業主には「青色申告ができる」という旨味があります。簡単に言うと、税務署への税額の申告(確定申告)のときに、複式簿記という複雑なものを使った書類を使うことで税金がお得になるというものです。

これ、複雑といえども会計ソフトで簡単に作れます。なのに税金がめっちゃ安くなるので、多くの個人事業主が青色申告を利用しています。ただし、これを利用するには税務署で「所得税の青色申告承認申請手続」という手続きをやる必要があります。

開業 freee では、この手続きも開業届の提出と一緒にやってくれるので、すごく便利です!

4. 完全無料

一連のサービスを全て無料で利用できます!必要なのはメールアドレスだけ。これもぶっちゃけ捨てアカで大丈夫です。

使い方は、公式が解説しているのでここでは割愛します。

このように、個人事業主になるための手続きはめちゃくちゃ簡単です!中学や高校では、部活に入部するときに、入部届というものを職員室へ提出したと思います。それと同じくらい簡単な手続きです。部活に入るくらい気軽に個人事業主になれるので、興味のある人は勢いで開業してみても良いと思います。

個人事業主、誰でもできて敷居が低いです!

以上をまとめておきます。

  • 個人事業主とは、独立してビジネスを営む人のことで、自営業者とも呼びます。
  • 個人事業主になると「必要経費」が認められるので、同じ額を稼いでも税金がお得です。
  • サラリーマンと並行して個人事業主になれます(副業OKの会社なら)!むしろサラリーマンと並行すると社会保険面で美味しいです。
  • 個人事業主になるにはペラ紙1枚を税務署に提出すればOK。しかも、Webで手続きを完結させる方法もあります。

私自身、長らく個人事業主になることに敷居の高さを感じていました。しかし、いざやってみると、思いのほか簡単に開業できることが判ってビックリしました。

ブログなどの収益化を進めている人、ちょこちょこ副業収入をもらっているあなた!その活動を本格化させるため、税金面で有利になるためにも個人事業主になってみることをオススメします!

▲ トップへ戻る