クリスマスをクリスマスに楽しむ難しさ

この記事は、旧ブログから引き継いだものです。

こんにちは、おぐえもんです。

今年も、みんな平等にクリスマスがやってきました。

家族かカップルで楽しむ構図が根強いクリスマスは、ハロウィンの台頭と若年層の草食化により、その勢いが落ちようとしているという話を内定先の研究室の教授から聞いて、「ふんふん、なるほど」なんて思ったりしちゃいましたが、まだまだそんなことはありませんでした。今年はクリスマスイブが土曜日だったことも大きく関わっているのか、街中はいつも以上の賑わいを見せていました。

私が行ったのは「ドイツ・クリスマスマーケット大阪」。ドイツ圏内でアドベント(例年 12 月初頭〜イブ)の期間中に催される縁日的イベント「クリスマスマーケット」を忠実に再現した催しで、梅田スカイビルにて 11 月中旬~クリスマスにかけて開催されます(ドイツ・クリスマスマーケット大阪2016 | イベント情報 | 新梅田シティ)。ドイツ総領事館が開催に関わっているだけあって、クオリティーはかなりガチで、会場内の屋台はドイツから取り寄せられた建材で作られているほか、百年以上前の木製メリーゴーランドまで回っていました。

実は、この催し物自体は、11 月 18 日(金)の開催初日に行ったことがありました。

11 月中旬。ハロウィン終わりで街中は既にクリスマスムードこそ漂ってましたが、キリスト教文化から離れた良くも悪くもバリバリ日本人の私にとって、まだまだクリスマスは遠い時期。そんな中でも、あらゆるものがクリスマス色に染められた当イベントは、私にクリスマスをより強く感じさせてくれたのが印象的でした。そして、冬の寒さが厳しいドイツならではの保温性の高い屋台は、それを見る私の心までもほんの少し温めてくれるのでした。

↑ 当時(11/18)の写真

大したロマンチストでもない私の心にここまでの影響を与えたのは、何よりも開催初日はそれほど人がいなかったからです。一応、金曜の夜だけあってそれなりに人はいましたが、会場内はすごく穏やかな雰囲気でした。ドイツの片田舎を想起させる客足のまばらさがクリスマスマーケットの魅力を引き立てていました。

12 月 24 日。人の数がえらいことになっていました。まず、会場から 600m 以上離れたグランフロント横の時点で巨大な人混みに巻き込まれ、そこから流れるように会場へ誘われます。途中、ウメキタの空き地をくぐり抜けるための約 200m に及ぶ地下道を通るのですが、臭いがすごい!古いトンネルなだけあって換気性能が低く、帰路についた客のアルコール臭でカオスなことになっていました。クリスマス感を味わうための対価にしては重すぎる!

そして、混雑による通路封鎖のため、かなりの遠回りをしてやっと辿り着いた会場は、まさにラッシュ時の通勤電車の中みたいになっていました。

移動は人波を読んでそれに乗らなければままならず、すべての屋台は長大な行列に並ばなければならない状況。会場を俯瞰できる展望台には入場規制がかかっており、かつてあんなにウロウロしていたニコラウスさん(1 枚目に映るおじいさん。サンタの元ネタの方らしい)は人混みを眺めながらずっと屋台に引きこもっていました。

↑ 会場内の 1 枚。ブレブレでごめんなさい。黒いのは全て人影です。

ドイツのクリスマスは本当にこんなのなのか!?

会場の雰囲気を圧倒する人混みは、クリスマス感以上に強い印象を私に与えました。

雰囲気を求める人々がかえって雰囲気を損ねさせる様子は、時々取り上げられる中国の人多い系ニュースさながら。その一端を不本意にも担った私は、もうこの手のニュースを笑ってられないなと変に気を引き締められたりもしました。

年中行事を街中で楽しみたければ、あえて日をずらさなければならないという、当たり前ながらどこかムズ痒い教訓を改めて獲得したのでした。

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