【国会】衆議院を傍聴する方法
こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。
先日、国会(衆議院)の本議会を傍聴しに行きました。衆議院の傍聴方法についてネットで詳しく書かれているサイトがなかったので、ここにまとめておきます。
【2024年3月3日追記】先日、久しぶりに衆議院の傍聴に行きましたが、2024年3月現在で要領は全く変わっておらず、この記事に書いているのと同じでした!
はじめに注意すべき点
国会を傍聴する上で、初めての方が注意すべき点があります。
衆議院と参議院の違い
国会は、衆議院と参議院の二院制です。2 つの議院はそっくりですが、それぞれ独立して運営されています。そのため、傍聴の方法や規則も多少異なります。この記事では衆議院(解散がある方)について扱いますが、参議院についても全く同じというわけではない点に注意です。
参観と傍聴の違い
国会の見学は大きく「参観」と「傍聴」の 2 つに分かれます。
- 参観:いわゆる国会議事堂の見学のこと。こちらは、土日祝を含む毎日の昼間に可能です。
- 傍聴:国会の会議を直接見ること。当然ながら議会が開いているときのみ可能です。本記事で扱うのはこちら。
本会議と委員会の違い
国会での会議は、本会議の他にも委員会というものがあります。大きな議場で開かれる「本会議」は自由に傍聴ができますが、比較的小さな会議室で開かれる「委員会」は、議員の紹介状と委員長の許可が無ければ傍聴できません。ここでは「本会議」の傍聴について扱います。
傍聴の手順
1.会議の日時を把握する
基本的ことですが、かなり重要です!
衆議院の本会議は、火曜日・木曜日・金曜日にそれぞれ 13 時から開かれるのが基本。しかし、その時の政局や議事の有無などの事情で、本会議が開催されなかったり、開始日時が細かく変動します。
最近の例だと、10 月 8 日(火)に 14 時から開会して、その次に本会議が開かれたのは 2 週間以上後の 10 月 24 日(木)でした。また、10 月 7 日(月)は月曜日ながら 16 時半から本会議が始まりました。
このように、本会議の日程はかなり変則的で、基本の日程はあまりアテになりません。
毎年1月〜6月頃に開かれる通常国会はもう少し規則的です。
本会議の開始予定は、前日の 15 時以降に、衆議院インターネット審議中継のサイトで公開されます。(言い忘れましたが国会傍聴はネット上でもできます)
衆議院インターネット審議中継
遠方に住む方は、前もって予定を立てることが難しいので、国会傍聴に行けたらラッキーくらいの気持ちで臨まないとならないのが厳しいところです…
2.衆議院面会受付所へ行く
国会傍聴に事前予約なんて必要ありません!運よく国会傍聴にいけそうなら、開始予定時刻の 1 時間〜30 分前くらいに、衆議院面会受付所へ行きます。この時間は目安で、別に 1 時間以上前でも問題はありません。傍聴は先着順なので、確実に観たかったら早めに行くことをオススメします。
よほど話題の政局じゃない限り、直前の受付でも普通に傍聴できます(笑)
衆議院面会受付所は、国会議事堂の敷地の左裏にあります。国会議事堂本体とは別の比較的小さな建物です。東京メトロ「国会議事堂駅」の 1 番出口から右にある壁に沿って歩くとすぐなのでアクセス抜群です!
入って右側の窓口で傍聴を受付しています。名簿に氏名を記入しておくと、開始予定時刻の 40 分前に氏名が呼ばれます。それまでは、中にある待合室(座席とトイレがあります)でゆっくりするか周辺をぶらぶらして待ちます。
3.傍聴券交付申請書の記入
開始予定の約 40 分前に氏名が読み上げられ、窓口に向かうと、傍聴券交付申請書が渡されます。近くにある記入台を使って用紙を埋めていきます。
職業欄は、細かくなくても OK!窓口の方曰く、「学生」や「会社員」程度の情報で大丈夫だそうです。
【2024年3月3日追記】2024年3月現在、様式が微妙に改められて性別の記入が不要になりました。一方でなぜか職業欄にフリガナの欄も追加されています笑
4.手荷物をロッカーに入れる
傍聴券交付申請書を提出すると、それと引き換えに衆議院一般傍聴券(以下、傍聴券)とロッカーの鍵がもらえます。(画像左の赤いものはロッカーの鍵のタグです)
国会議事堂の中に入るにあたって、安全管理の観点から手荷物の持ち込みが厳しく制限されています。そのため、大半の持ち物は 窓口の反対側にあるロッカーに入れなければなりません。
まず、ロッカーを入れる前に、警備の方から簡単な手荷物検査を受けます。そして、手荷物を全部ロッカーにしまいます。国会議事堂内に持ち込めるのはおおよそ次のものに限られます。
- ロッカーの鍵
- 傍聴券
- ハンカチ
- 腕時計
- 筆記用具(ペンとノート)
スマホやカメラなどのデジタル機器は基本持ち込み禁止です。
5.傍聴券の記入と手荷物検査
ロッカーに手荷物を入れると、別室に移動し、ロッカーの鍵と一緒に渡された傍聴券に情報を記入します。半券の左右どちらにも同じ情報を書き込みます。
記入を終えると、再び手荷物検査です。今度は、ポケットの中のものをトレイに出してゲートを通過する、まるで空港の保安検査場のような厳格さで行います。
異常がないことが確められると、傍聴券の記入内容を確認され、国会議事堂行きが認められます。
6.いよいよ本会議場へ
国会議事堂へは、職員の案内で約 10 人を 1 単位にしてまとまりながら向かいます。
国会議事堂の中に入って少し歩くと、衛視さんが座る窓口があります。ここで傍聴券を提示して、記入内容が認められるとハンコがもらえ、半券が切り取られます。これで傍聴に関する一連の手続きが完了します。
その後、職員の案内にしたがってエレベーターに 2 回乗ると、本会議場の裏口に到着し、ついに本会議場の傍聴席に座ることができます。
国会議事堂の内部は、衆議院面会受付所と違って、廊下から扉まで全てが重厚な作りになっていることに驚くと思います!
6.ひたすら座る
国会の会議は、前述した通り、その時の政局などによって予定が目まぐるしく変わります。開会時刻が予定より遅れるなんてザラ。そんな時も、会議が始まるまでひたすら座って待ちます。
国会議事堂の傍聴席エリアには横長のソファーが前後左右に並んでいて、来た順で前から横に詰めて座る形なっています。座席はもふもふでクッション性が高いものの、背もたれが垂直で直線的なので決して座り心地がよくありません。本会議場を出たところに傍聴人用の休憩室やトイレなどが設けられていて、これらを活用することもできます。
ちなみに、私が傍聴に行った 10 月 7 日(月)は、開始が予定より 90 分も遅れました。
面会受付所で50分、本会議場に入ってからも40分ほど待たされて大変でした…
7.傍聴をする
本会議が始まったら、映画みたくひたすらこれを観て楽しみます。途中、死ぬほど眠くなることもありますが、これもまた国会です。
傍聴時のルールは、傍聴券の裏面に記載されています。
例えば、七-4 にある通り、議場では拍手が禁じられています。しかし、議場では何かと議員たちが拍手する場面があります。劇場に来た時と同じノリで一緒に拍手をすると警備の方に注意されますよ。
8.終了後、帰る
議長が、「これにて散会します(休憩します)」みたいなことを言って議場を出ると、本会議は終わりです。警備の方の案内に従って、国会議事堂を後にします。入場時と違って、退出時は特に手続きなくスムーズに帰れます。
おわりに
以上が衆議院の傍聴手順です。
上で書き忘れていたのですが、国会の傍聴は完全無料です。なのに、傍聴に対してかなりの人員や設備が用意されていて、ものすごいコストを感じました。こんなことができるのは、国会が普段から収めている税金で運営されているからです。国会に対する知的好奇心はもちろん、収めた税金の元を取るという動機で国会傍聴に行くのも良いと思います(笑)
警備や案内にあたっていた職員の皆さんがものすごく丁寧で優しかったのが印象的でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。