
54回目の電話でやっと予約できた最高裁判所の庁舎見学へ行きました
こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。
先日(2/28)、最高裁判所の庁舎見学へ行ってきました。
最高裁判所の庁舎見学は誰でも無料でできるんですが、タイミングが数ヶ月に1度しかなく、毎回80名が定員なので競争が熾烈です!
今回は、熾烈な予約競争を勝ち抜いた私が実際に最高裁判所の庁舎見学に行ったときの様子を書きます!ぜひとも最後までお読みください!
最高裁判所とは
最高裁判所は、言うまでもなく日本の司法制度の最上位に位置する機関で、全国の下級裁判所の判決に対する上告を受けて最終的な判断を下す日本唯一の場所です。
そんな最高裁判所の庁舎は東京都千代田区隼町(国立劇場の隣)にあり、巨大な岩を組み立てて作られた要塞のような見た目が特徴です!
最高裁判所は庁舎見学ができる!
裁判所って一般人を受け付けない雰囲気がぷんぷん漂ってますが、実は最高裁判所では裁判の傍聴のみならず庁舎の見学もできます。
見学は最高裁判所が開催する見学会に参加する形で行います。
これは事前予約制になっているのですが、次の事情から予約が熾烈かつ運ゲーになっています。
- 開催頻度が低すぎる
- なんと数ヶ月に一度しか開催されません。私が参加したのは2月27日の回でしたが、3〜5月の開催はなく、次回は6月5日のようです。時期次第では毎月やっていますがそれでも月に1度の頻度です。
- 定員が少ない
- 開催頻度の低さに対して定員が80名とやたら少ないです。しかもこれは「団体申し込み」と「個人申し込み」の合計なので、個人枠はもっと少ないです。
- 申し込み方法が電話一択
- Web予約が主流の現在において、未だ電話一本のストロングスタイルを貫いています。申込開始日の9:00に電話が集中するので、繋がるかどうかは運ゲーです。
詳しくは公式ページをご覧ください。
一般見学コース | 裁判所
https://www.courts.go.jp/saikosai/kengaku/chousyakenngaku/ippannkenngaku/
私は3度目の挑戦でようやく予約を取ることができました。
最高裁判所に見学へ行った記録
熾烈な電話予約
見学の電話予約は実施日の2週間前くらいの9:00に開始されます。私は9:00ぴったりに電話をかけ始め、「通話中の通知→掛け直し」を繰り返し、6分後に54回目のリダイヤルでようやく繋がりました。
前述の通り、今回の挑戦は3度目で、過去に2度予約争いに敗れています。
- 1回目(2024年6月の回)
- 間をおいてリダイアルを繰り返す作戦で、25分間に26回のリダイアルを繰り返していると、ようやく繋がりました。しかし、既に予約が埋まったことを告げられました😭
- 2回目(2024年12月の回)
- 1回目の反省を踏まえて、今度は逆に間を置かずひたすらリダイレクトを繰り返す作戦に出ました。13分間に326回のリダイアルを繰り返しましたが、一度も繋がることはなく、さすがに絶望して断念しました😭
電話予約ができるかどうかは電話に繋がるかどうかの問題であり、こればかりは試行回数を増やす以外になす術がないので、ほぼ運ゲーだと学びました。
当日朝〜入場まで
見学当日は9:10南門集合で、9:30から見学が始まります。
最高裁判所は地下鉄のアクセスがあまり良くなく、国会議事堂前駅から徒歩10分、赤坂見附駅から徒歩15分ほどの距離にあります。私は国会議事堂前駅から向かいましたが、国会議事堂に埋め込まれた出口を出ると、あとは国会議事堂の裏をまっすぐ進むだけなので、道に迷うことなく到着できました。永田町と隼町って隣り合ってるんですね。
↑こんな道を通る
9:10の時点で、すでにほとんどの参加者が集まっており、参加人数は40人弱ほどでした。
参加者の多くは中高年層ですが、学生もそれなりにいて幅広い年齢層でした。建築好きよりも法学生・司法好きが集まってる印象でした。
私の隣の大学生は、学校で出た憲法のレポートに何を書いたか話してました。近くにいたおじさんたちは、裁判官や裁判制度について熱く語り合ってました。
9:15ごろに案内が開始され、9:20過ぎに庁舎に入場しました。庁舎に入るには、外にある長くゆるやかな階段をひたすら登る必要があり、雨の日は大変そうだと感じました。
庁舎の中
庁舎に入ると、まずはロッカーに荷物を預け、セキュリティチェックを受けます。意外なことに、スマホやデジタル時計の持ち込みが許可されていました。金属探知ゲートが1つしかないため、順番待ちの時間が生じてました。
ゲートを通過すると、約10人ずつに分かれて大法廷へ案内されました。公式ページには「庁舎見学」とありますが、実際は「大法廷見学」って感じのコンテンツです。大法廷に向かう途中、正面玄関に繋がる大ホールの中を通ったのですが、大ホールは天井が非常に高い石造の荘厳な空間で、京都駅みたいだなと思いました(関西人並の感想)
大法廷の入り口は吉本の劇場みたいな感じで、傍聴席の裏から入るスタイルでした。
大法廷
大法廷はその名の通り巨大な空間で、写真で見た通りの荘厳な雰囲気に圧倒されました。
真っ先に目に入るのは、天井の大きな吹き抜けでした。大法廷の天井には直径14mの大きな穴が空いていて、そこから太陽の光が大法廷に入るように作られています。
裁判所に入るのは初めてだったので知らなかったのですが、傍聴席と弁護人席・検察官席がかなり近いのが意外でした。裁判の空気を肌で感じられそうな距離感で、例えるならば吉本の無限大ホールみたいな感じです。
見学中、最高裁のスタッフの方が大法廷の特徴について詳しく説明してくれました。
- 最高裁判所の庁舎の概要
- 1974年に竣工して今年で51歳
- 最高裁判所の法廷特有の特徴
- 証言台・被告席がない←最高裁レベルになると証人や被告を呼ばないから
- 天井の吹き抜けについて
- 日に照らされながら裁判できる環境を目指して作られたらしい
- 壁は全て石造であること
- 全て茨城・稲田の御影石
- 前後には西陣織の壁掛けが計4枚あること
- 前面は太陽、背面は月を表現←正直抽象的すぎて全くわからんw
- 随所に反響対策が凝らされていること
- 石に隙間を設けている/壁掛けを設けている
- 裁判官席の席次
- 中心が長官。その左隣(A)、右隣(B)、Aの左隣、Bの右隣、…の順に在任歴が長い順に座る
- などなど
同様のことが、最高裁判所広報誌「司法の窓」第89号に書かれているので、気になる方は読んでみてください!
広報誌「司法の窓」 | 裁判所
https://www.courts.go.jp/about/sihonomado/
質疑応答タイム
解説が終わったら最高裁判所のスタッフに自由に質問できる時間がありました。せっかくの機会なので、私も質問をしてみました。
「部屋の至るところにあるモニターには何が映るのか?」を尋ねたところ、裁判資料の投影に使うことがあるほか、将来的にはビデオ会議形式での裁判にも対応する予定とのことでした。ビデオ会議での使用が想定されているのは意外でした。
また、他の参加者がモニター上に設置されている黒い機材について質問していました。私はこれをスピーカーだと思っていたのですが、実際はマイクとカメラであることが判明しました。これもビデオ会議に向けた設備だったとは!
モニター類の説明が「これからどんどん使っていきます」って感じの未来形のニュアンスだったのが気になって後で調べたところ、モニターの設置はここ1年以内の出来事だったようで、つい最近まで無かった設備だったことがわかりました!
最高裁が手話通訳やモニター配置など初の特別措置 旧優生保護法訴訟で障害者に配慮(2024/05/16 20:52)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000349769.html
確かに最高裁判所のホームページにある大法廷の画像を見てもモニターがないことに気付きました!
自由時間
質疑応答の後は、10分ほどの自由時間が設けられ、大法廷の傍聴席スペースを自由に移動して見学できました。なんとスマホで好きに撮影できるというボーナスタイムです!
ただし、撮影した写真をインターネットで公開することは禁止されていたので、この記事には載せません!残念!
せっかくなので、見学中に気づいたことをいくつか挙げておきます。
- 壁面は全部岩だが、ざらざらの部分があれば、ツルツルに磨かれた部分もあった。写真じゃわからないけど細部まで凝ってて感動!
- 壁面の岩に設けられた防音のための隙間には網が貼られてて、これまた細かい
- 巨大な壁掛けはもちろん耐火仕様。近くでみたら絨毯みたいな質感で、こんな巨大な織物を作れることにビックリ
- 意外と左右の壁面におしゃれなデザインの丸い壁時計が掛かってる。けど部屋が暗くて座席からの距離もあるので誰が見るんだろう…
- 約5席分のスペースを使って車椅子席がしっかり設けられてる
- 座席の列名は「いろは」順(例:「いー1」)
- 左右にある記者席には特別に机と卓上ライトが設けられてるが、コンセントはない
自由時間はあっという間に終わりました。
退場
自由時間が終わると、元の席に戻り、スタッフの指示に従って大法廷を退出しました。行きと同じルートで退場し、見学は終了。全体の所要時間は1時間弱でした。
おわり
以上、最高裁判所の庁舎見学の記録でした!
午前休を取るだけで参加できる気軽なイベントので、興味のある方はぜひ熾烈な予約合戦に挑んでみてください!