独学で宅建試験に一発合格したので勉強法を書きます

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

不動産知識・法律知識がほぼゼロの状態で臨んだ宅地建物取引士資格試験(宅建試験)ですが、合格発表が本日あって無事に合格できました🎉

宅建試験は、今や30万人を超える申込者を抱える人気資格ながら、合格率は例年15〜17%程度で、まあまあ難しい分類だと思います。

今回は、記憶がホカホカのうちに、宅建試験の合格を目指してどんなことをやったのかを書きます。

これから宅建試験を受験しようとしている方は必見です!

まずはこれだけ押さえよう

まずは、宅建試験の基本情報をざっと解説します。情報は2024年11月時点のものです。最新情報は不動産適正取引推進機構のWebサイトをチェック!

基本情報

宅地建物取引士資格試験(宅建試験)とは、不動産取引の専門家である宅地建物取引士(宅建士)になるために必要な国家試験です。

宅建士はそこら辺の資格と違って、その資格を保有していないとできない仕事(独占業務)があります。例えば、不動産契約時の「重要事項説明」(賃貸の契約前にベテランっぽい社員が出てきて説明するアレ)や、契約書面への記名などです。

試験の基本情報は↓のような感じです。

いつあんの
年に一度、10月の第3日曜日にあります。 試験時間は、13:00〜15:00の120分です。
どこであんの
全国各地にある無数の会場でやってます。
いくらすんの
税込8,200円です。これでも士業の国家試験の中では決して高くないようです。
問題形式
全50問の4択問題です。一部条件を満たせば5問免除されます。
合格条件
合格点(例年34〜38点)以上を取ると合格です。
URL
https://www.retio.or.jp/exam/

問題の構成

前述の通り、全50問の全てが4択問題で、マークシート方式です。

問題はほぼ全てが法令・判例からの出題です。例年の傾向では次の構成になっています。

単元問題数範囲
権利関係14問民法・不動産登記法・区分所有法など
法令上の制限8問都市計画法・建築基準法・農地法・国土利用計画法など
税・その他3問地方税法・印紙税法・所得税法・登録免許税法など
宅建業法20問宅建業法・住宅瑕疵担保履行法など
免除科目5問景品表示法・各種統計・土地・建物など

免除科目は、その名の通り一定条件を満たす人は免除されます。免除対象者は45点満点となり、解答時間が110分に短縮されます。

勉強する前に覚悟しておくとよいこと

宅建試験は、国家試験の中でも屈指の受験者数を抱える試験で、どの本屋にもテキストがいっぱい並んでいるので、誰でも受かる簡単な試験のようにも見えるのですが、決してそんなことありません

私は、不動産と法律の知識がほぼゼロの状態だったのに、「ちょっと頑張れば受かるやろw」というナメた態度で受験勉強を始めた結果、予想以上の難易度に終盤はヒーヒー言いながら勉強してました😭

宅建試験は色んな観点で難しい試験なので、結構頑張って勉強しないといけないことを事前に覚悟しておきましょう

宅建試験の何がヤバいのかを次の記事にまとめました。

不動産&法律知識ゼロの私が宅建試験を受けて悟った現実
不動産&法律知識ゼロの私が宅建試験を受けて悟った現実
おぐえもん.com

宅建試験のことをよく知らないけどなんとなく受験しようと考えている方は是非ともお読みください!

合格に向けた勉強の方法

ということで前置きが長くなりましたが、私が合格に向けて取り組んできた勉強の流れを紹介しようと思います。

1. 参考書で基礎を覚える(7〜8月)

私は7月1日の宅建試験の応募と同時に勉強を始めました。

どの試験もそうですが、試験範囲の体系だった知識を効率よく学ぶため、はじめは参考書を使って基本知識を理解します!

オススメ参考書

本屋に行くと様々な参考書が並んでいますが、その中から私は「ユーキャンの宅建士 きほんの教科書」を選びました。

ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版【豪華付録「でるとこ論点帖」フルカラー4分冊】 (ユーキャンの資格試験シリーズ)
3,080(2024.11.30 現在)

選んだ理由は次の通りです。

  • 全編カラーで見やすい
  • やさしさ全振りで内容がスカスカなんてことはなく、ページ数に対して中身が充実してる
  • とはいえ、図表もキチンと用意されていて分かりやすく作られている

私は、どの資格試験の勉強をするときも、参考書はこの一冊に絞って何周も読んで最後まで使い込みます。人は一般的に同じことを繰り返すことで記憶の定着力が上がります。ですので、参考書は何冊も買ってあちこちに手を付けるのではなく、一冊に集中する方が結果的に効率よく覚えられると思います。

たまには公的機関のWebサイトで実例を見るのも良い

参考書だけでも良いですが、私は学習内容のイメージを具体的に描くために、法令の条文を読んだり、関係するWebサイトを適宜見てました。勉強して出てくる内容というのは実際に運用されているものなので、元ネタや実例がネット上にゴロゴロしています。

都市計画情報等インターネット提供サービス
▲都市計画情報等インターネット提供サービス

これ以外にも調べたら色々出てきます。「これ具体的にどういうこと?」と思ったことはネットで調べると実例とともに出てくることが多いので、勉強に活用しない手はありません!

基礎固めのやり方

実は、このフェーズの勉強は全てYouTubeで生配信してました

この動画を見ると一目瞭然ですが、あえて簡潔にまとめると次の流れの繰り返しです。

  1. テキストを最初から読む
  2. 書いてる内容が定められてる理由を自分なりに考える
  3. 自分なりに要点をメモる(動画みたいにガッツリ書かなくてもノートにちょっと書く程度で良いと思います笑)
  4. 対応する条文などを適宜見る

ここでは細かい数字などを丸暗記するのでなく、全体像と背景を把握することに努めました。細かいことは問題演習で間違えながら覚えていくスタイルです。

2. ひたすら問題演習する(9〜10月)

参考書には次の限界があります。

  • 紙幅の都合上、出題範囲を決して網羅していない。
  • 知識がどういう形で問題になるか、どういう勘違いが狙われるか十分に分からない。

これを少しでも補うために、問題演習を通じた実践的な学習も不可欠です。参考書を一通り読んだら早速問題を解き始めて、出る内容・抑えるべき要点を頭に叩き込みました。

問題演習は過去問だけでいける

宅建試験 過去問道場🥋

問題演習は、「過去問道場」というWebサイトを使って過去問をひたすら回しました。

宅建試験 過去問道場🥋
https://takken-siken.com/kakomon.php

このサイトは本当に凄くて、次のような特長があります!

  • 基本機能がどれも無料で使える。
  • 2000年度以降の過去問(25回分以上)を解ける。
  • 各問題に丁寧な解説が用意されている。
  • アカウント(無料)を作れば、解答の履歴や成績の統計が見られる。

私は問題演習を過去問のみで乗り切りました。過去問だけで1,000問以上あってボリュームが十分すぎます。また、本試験では過去問の丸コピこそさすがに出ませんが、過去問の焼き直しのような問題は出てきます。なので過去問をある程度覚えておくと有利にはたらくことがあります。

一方、過去問の欠点はここ1年の法改正(毎年結構ある)を絡めた問題が存在しないことです。

これを憂いてオリジナルの問題集や模試に手を出す人が多いんだと思いますが、そこまでしなくて良いんじゃね?というのが私の見解です。

改正点は参考書にも書いているので問題演習がなくとも解ける可能性があるのと、仮に解けなくても合格点に至らないほどの失点になりません。5問に1つ落としても合格するんだから、細けぇこたぁいいんだよ!

問題は本番と同じ4択形式がオススメ

宅建試験の問題は選択肢ごとに正誤を判断するものなので、問題演習の形式として、過去問の選択肢をバラして作ったもの(前述のサイトでいう「一問一答道場」)があります。しかし、私は本番と同じ4択問題での演習をオススメします。

これには、①1問を解く時間をしっかり意識できる②明らかな捨て選択肢を見抜く力が付くという2つの理由があります。

②が結構重要です。宅建試験には重箱の隅を突くような問題がありますが、一部の選択肢がクッソ難しいだけで、他の選択肢が分かれば解けなくもないものが少なくありません。こうした問題に対処するためには、4つの選択肢の組み合わせを考慮に入れて正解を選ぶ癖、ある選択肢がクッソ難しいときに焦ることなく他の選択肢を攻める戦略を取る経験が欠かせません。

問題演習のやり方

私は次のような流れを暇な時間に繰り返してました。

  1. 試験と同じ4択問題を1問解く
  2. 答え合わせ
  3. 全ての選択肢の解説を読む
  4. 参考書で関連する記述の周りを読み直す

解く対象は4択問題ですが、問題演習にあたっては一問一答みたく全選択肢の正誤をそれぞれ理由付けしながら判断して、答え合わせのときには全選択肢の正しい(間違ってる)理由を欠かさずチェックします。そして、その理由のみならず関連する内容を含めて参考書を読み直します。

重要説明の問題を例に挙げると、「重要説明で〇〇を説明しないといけない」ってことが解説文で分かったら、〇〇はともかく「そもそも重要説明で何を説明しないといけないのか」を参考書を開いて総復習するイメージです。

このやり方は1問を進めるのに少なからぬ時間がかかりますが、有機的に結びつく他の知識と一緒に暗記が進みますし、同じようなことの繰り返しによって記憶が定着するので、結果的に効率的だと考えています!もちろん、出先でスマホ1つで過去問を解いていて参考書が手元に無いときはこの限りではありません。

3. 過去問1年分を通しで解く(9〜10月)

初めて過去問を通しで解いた結果
▲初めて過去問を通しで解いた結果(この回の合格点は34点)。半分も取れてない😇

1問単位の演習だけでなく、たまにはまとまった時間を取って過去問1年分をまるごと解くのも必要です!これは主に次の理由からです。

  1. 試験時間の感覚を身につける
  2. 連続でたくさんの問題を解くことに慣れる
  3. 合格水準までの距離を測る

1と2は、宅建試験の問題文は法律を扱う関係で難解かつ長めで、1問を解くのに時間と労力がかかりがちだからです。ちなみに、宅建試験は1問2分程度のペース試験時間120分÷全50問=2分24秒より)で解けていると見直しの時間も確保できてGoodです!

3については後述します。

通しで解くのは早い時期からやった方が良い

ポイントは3つ目です。合格水準までの距離の測定はあらゆる試験の勉強で欠かせませんが、宅建試験においては特に重要だと痛感しました。というのも、宅建試験においては合格水準までの距離を詰めるのに相当の勉強量が必要だからです。

私の受験勉強における反省点はここでした。試験日の2週間前に初めて過去問を通しで解いて、さきほどの画像の通り24点(合格点まで10点不足)でした。ここで「どうせあと2週間もあるから今までの調子で大丈夫だろう」と高を括っていたら、その後も点数が思うように伸びず、試験日2日前は31点(5点不足)、試験日前日ですら34点(2点不足)しか取れず、死ぬほど焦りました。

試験前日に前年の過去問を通しで解いた結果
▲試験前日に前年の過去問を通しで解いた結果(この回の合格点は36点)。これは普通に焦ります😇

宅建試験は、前述の通り重箱の隅を含む細かく膨大な知識の覚えゲーです。30点を超えた先から安定して得点を取るために要求される知識が莫大に増えます。

これから宅建を受験しようとしている方々は、私の二の轍を踏まないよう遅くとも9月の時点では通しで演習してください!直前になって合格水準への距離感に初めて気付くとマジで絶望します!

9月末の時点で30点台を取れていたらかなり気持ちに余裕をもてるんじゃないかなと思います(そうありたかった)。

公式が過去問のPDFを公開しています

宅建試験の過去問を印刷したもの

過去問を本番さながらの雰囲気で解きたい方は、公式が出している過去問PDFを冊子印刷してみるのも良いかもしれません。問題用紙にメモを書きながら解く感じを含めて演習できます。私は前年度分だけ実際に印刷して解きました。

手元にプリンタがなくても、最近のコンビニ印刷は冊子印刷にも対応しているので大丈夫です。私はセブンイレブンのプリンタを使いました。A3モノクロ両面の印刷ならば、料金は10円×14ページ=140円でした。

模試はどうなの?

私は予備校などが主催する模試を受けることなく終わりました。

模試を受けることで本番さながらの空間で50問通しの演習をすることになりますし、合否予測をはじめとする詳細でリアルな成績を突き付けられるので、身を引き締めるために受験するのもアリだと思います。

4. 直前の追い込み(10月中旬)

本当は余裕をもって受験に臨みたいのですが、そう計画的にいきませんよね。私には計画性がないので、結局直前期に大慌てすることになりました。

経験してみた結果、宅建試験は直前の追い込みが有効でした。

直前に追い込まざるを得なくなった私の失敗談に基づいた追い込みのテクを次の記事で紹介しているので、みんな読んでね!

宅建試験直前の2日間で10点も上げた超絶追い込み術
宅建試験直前の2日間で10点も上げた超絶追い込み術
おぐえもん.com

この記事を読むと、直前期に1日何問解いていたのかも分かります。

次の画像は、私のトータルの過去問演習履歴です。ラスト2〜3週間だけずば抜けていることから、直前期の追い込みっぷりが分かります。

トータルの過去問演習履歴

5. 試験当日の過ごし方

宅建試験は午後からなので、午前中も試験対策ができます。

試験当日の勉強はコスパをさらに重視して、前日よりもさらに範囲を絞って重要説明と37条書面をめっちゃ勉強しました。ここだけで毎年5問くらい出るのでコスパ最強の範囲なんですよね。

詳しくは当日レポートに書いていますので、ぜひとも読んでください!

宅建試験を受験してきました!2024年度当日レポート
宅建試験を受験してきました!2024年度当日レポート
おぐえもん.com

おわりに

以上、宅建試験の勉強法でした。

宅建試験は、深く複雑な思考の力こそ求められませんが、今まで聞いたことすらない無数の知識を覚える記憶力と、ひたむきに暗記を頑張る忍耐強さが求められます。

合格率は高くないですが、必要な情報を参考書で覚えて、過去問をひたすら解いて勘所を掴んでいくと意外となんとかなります!

以上の内容がこれから受験する人の役に立てたら嬉しいです!

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