1時間の登山が必要な難所「醍醐寺上醍醐」へ行きました!

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

一昨日の11月3日(日・祝)に醍醐寺の「上醍醐」へ行きました!

醍醐寺の上醍醐は、片道1時間ほどの山道を登らないと辿り着かない過酷なアクセスで有名です。

今回は、上醍醐の簡単な紹介と、実際に登山して参拝したときの様子を書いていきます!

上醍醐とは

上醍醐の登山口

上醍醐は、京都市伏見区にある醍醐寺を構成する伽藍(お堂の集まり)の1つです。

醍醐寺は、五重塔(国宝)や三宝院などの有名な建築群で構成される醍醐山麓の下醍醐と、醍醐寺開創の地である醍醐山頂付近の上醍醐に大別されます。

下醍醐と上醍醐がそれぞれ山麓と山頂にあることからわかるように両者はとても離れており、上醍醐へ行くには下醍醐の北端から険しい山道を1時間程度歩かなければなりません

上醍醐にはかつて准胝堂というお堂があり、そこが西国三十三所の第十一番札所でした。西国三十三所の札所の多くはアクセスが良い場所にあるか、そうでなくとも札所の近くまで車を寄せることができる一方、上醍醐へ行くには険しい山道を徒歩で登る以外の方法が無く、西国三十三所巡礼の最難関と呼ぶ声も多くありました。

しかし、2008年の落雷により准胝堂が惜しくも焼失し、札所が下醍醐の現・観音堂に暫定移転したことで札所へのアクセス難度が劇的に低下。そのため私は西国三十三所巡礼を満願していながら上醍醐へ行ったことが無かった(しかも巡礼当時は台風被害の影響で入山できなかった)のですが、せめて一度くらいは行かなければと思って、この期に及んで醍醐山登山を敢行することにしました。

上醍醐に行ってきました!

ここから先は、上醍醐参拝のレポートです。

下醍醐から上醍醐の登山口まで

醍醐寺の総門

地下鉄醍醐駅から東へ10分くらい歩くと醍醐寺の総門に着きます。古刹の門前って昔ながらの雰囲気を保っていることが多いですが、醍醐寺までの道中は新興住宅地の間を縫いながら歩くことになり、ちょっと不思議な感覚に陥ります。

上醍醐の登山口までの道のり

今回は上醍醐のみが目的なので、醍醐寺の入り口から上醍醐の受付までは有料エリアを避けながら10分弱くらいかけて歩きます。無課金ルートは本当に何も無い脇道ですが、有名な五重塔(国宝)がちょっと見えたりします。

上醍醐の登山口の鳥居

これが上醍醐の受付の入り口です。お寺ですが鳥居があります。

上醍醐の入山料

上醍醐には入山料が必要です。大人は600円が基本ですが、他の有料エリアの券を持っていると500円になります。

上醍醐の登山口

左が受付で、右が登山口です。写真には写っていませんが、左にはかつて上醍醐が女人禁制であったことから設けられた「女人堂」という建物があります。

上醍醐の登山口の自販機

ちなみに、登山口の近くには自動販売機があります!この先自販機はありませんし、道中には給水できるところが1つもありません。ですので、あらかじめ飲み物を確保されることをオススメします!料金相場が街中の自販機と変わらない点が良心的ですが、缶コーヒーの比率がやたら高いのが謎です。これから目を覚まそうとする人おらんやろ!

私は下山してからこの自販機の存在を知りました😇

上醍醐の入山券

ということで、山登りを頑張ります!

上醍醐の参道(山道)

ここからはひたすら山を登っていきます。醍醐寺のWebサイトによると約1時間かかるようです。

醍醐寺の登山口

入り口の時点で既に険しそうな雰囲気が漂っています。

醍醐山の地面がぬかるんでいる様子

この日は大雨の翌日でしたので、地面がぬかるんでいます。とはいえ、序盤以外はそうでもありませんでした。

二丁の石標

山道には一定の間隔で「N丁」(Nは自然数)と彫られた石標が立っています。一丁の単位が分からず、十丁までいったら到着ってことだと思ってました。

醍醐の花見の会場の1つ

まあまあ登ってしんどいところで醍醐の花見の会場の1つに着きました。醍醐の花見とは豊臣秀吉が死の直前に醍醐寺で催した超盛大な花見の宴ことです。

こんなところで宴をやるのしんどいやろ!

醍醐山の危ない崖

山道の途中にはシンプルに危険な場所もあります。写真じゃ伝わりにくいですが、崖と呼べるほどの果てしない急斜面の側を歩いています。ちょっと脇見して足を滑らせてしまったらと思うと怖い!

醍醐山の危ない道

さっきから写真が明るいんですが、これはiPhoneがいい感じの補正を勝手に加えているからであり、実際はもっと暗いです。その場で露出設定をいじって実際の景色と色調をあわせてみた写真がこちら↓

醍醐山の危ない道の実際の暗さ

めっちゃ暗い!この日は快晴の好天だったのに、生い茂る木々の葉が空を覆い常に鬱蒼としていました。曇りの日だったらどんなに暗かったんだろ。

醍醐山の粗い石段

しばらく平坦な道を歩くと猛烈な石段モードに入りました。しんどい!

九丁の石標

ようやく「九丁」まできました!そろそろ到着!?

不動の滝

それっぽい広間にでました!たぶん十丁に相当するエリアです!しかし、祠こそあれど伽藍といえるものは何もありません。

醍醐山の中間地点

え!?まだ中間地点!?到着までまだ30分もかかるやん!!絶望!!

醍醐山の典型的な山道

ということで、同じ調子で山道を登り続けます。たまにあるベンチ(丸太に板を置いただけ)に救われます。

十五丁の石標

十丁で終わるなんて私の期待とは裏腹に、石標は十一以上の数字を刻みます。後から分かりましたが、一丁は約109mで、登山口から伽藍まで十九丁あるようです。

十六丁の石標がある場所

ようやくそれっぽい標識が見えてきた!これで終わり?そんなことありません。隣には「十六丁」の石碑がありました。まだまだあります。

醍醐山の石盤

この辺りの地面は縦に亀裂が入った岩盤でちょっと歩きにくいです。

十八丁の石標とトイレ

その後も歩き続けてようやく十八丁まで来ました!隣にあるトイレはその辺の公衆便所の比じゃないほどの退廃的な雰囲気が漂っており、使う人がいるのか疑問でした。

醍醐山の荒廃した竹藪

この辺の竹林は台風などの影響なのか半分くらいが倒れていて、これはこれで自然を感じさせます。

上醍醐の建物が見えてきた様子

ようやく大きな建物の屋根が見えてきた!ようやくゴールに辿り着きそうです。ここまでで登山口から40分くらい経過していました。想定よりもハイペースだったようです。

上醍醐に到着!

上醍醐の寺務所の入り口と参道

40分程の山登りを経て、ようやく本格的に整備されたところに到着しました。門の中をくぐりそうになりますが、これは寺務所の入り口なので、参拝者は左の細い山道を通りましょう!

上醍醐が基本的に圏外である様子

ちなみに、この辺一帯は基本的に圏外です(mineoのdocomo回線の場合)。たまにちょっと電波が繋がるときがあります。

上醍醐の地図

チケットの裏面には上醍醐の地図があります。これらを順に見ていくことになります!私は参拝当初この地図の存在を知りませんでした😇

清瀧宮拝殿(国宝)

清瀧宮拝殿

先ほどの通路を進むと左手に大きめの懸造り(舞台造り)の建物が見えます。これが清瀧宮拝殿であり、なんと国宝に指定されています

清瀧宮拝殿

階段を登ると入り口が見えます。もちろん拝殿があるからには本殿もあるのですが、私は当時地図を見てなかったので見逃しました…

醍醐水

醍醐水

清瀧宮拝殿の向かいには「醍醐水」があります。これは、9世紀の醍醐寺開創にまつわる水で、この水の素晴らしい味わい(醍醐味)が寺名の由来と言われるほどの名水だそうです。

こんな感じで、醍醐水は醍醐寺のルーツに直結する超重要スポットであり、しかも今も湧き出ていて実際にその場で飲めるらしいのに、当時の私はそんなこと知らず、しかもパッとみた感じカラッカラな雰囲気でとても水がありそうな雰囲気でなかったので華麗に素通りしてしまいました。あの時の私は喉が乾いており水分を求めていたのになんて馬鹿なことをしてしまったんだ!

准胝堂の跡地

准胝堂の跡地

醍醐水の左の石段を登ると、広い空間に出てきます。そう、これが西国三十三所巡礼のかつての最難関である准胝堂があった場所です。

准胝堂は醍醐寺開創以来から再建を繰り返して現代まで存在していた建物ですが、2008年に落雷によって焼失してしまいました…

准胝堂の跡地

准胝堂の跡地は現在更地になっていますが、そこには「准胝観音堂 再建予定地」と書かれたプレートが立てられています。再建されたらまた行かないといけないですね!

醍醐山頂への案内

そして、その隣には「山上御案内」があります。上醍醐の地図を知らない当時の私は「え、まだ15分歩かなあかんの!?」と驚きましたが、ここまで来て全部見ないわけにはいかないので、残りの力を振り絞って足を進めることにしました。

薬師堂(国宝)

薬師堂

まず、道中には薬師堂があります。これは清瀧宮拝殿と同じく上醍醐の国宝建築です。なにせ平安時代の再建で築900年越えです。シンプルな見た目ながらも、木材の組み方がどことなく珍しいように見えて印象的でした。

五大堂

五大堂

さらに進むと、再び伽藍が現れます。これは五大堂です。上醍醐の建築にしては珍しく中にも入ることができました。

如意輪堂(重要文化財)

如意輪堂

五大堂からやや離れたところに如意輪堂があります。こちらは1606年再建で、重要文化財に指定されています。清瀧宮拝殿と同じように懸造りでできており、1つのエリアに懸造りの建物が2つあるのは珍しい気がします。全体が暗めの色合いで渋いですね!

開山堂(重要文化財)

開山堂

如意輪堂の隣には開山堂があります。こちらも如意輪堂と同年の再建で、重要文化財です。奥行きがめっちゃあって、まるで武道場のようなサイズ感です。

開山堂を横から見た様子

開山堂を横から見ると分かりやすいのですが、木材の組み方が一見複雑ながら幾何学的な美しさをはらんでいて、見ていてワクワクします!このような建物が400年以上前の大昔に、しかもアクセスが超大変な山上に建てられたなんて、人々の頑張りって本当にすごいですね。

醍醐山の山頂

醍醐山頂の標識

開山堂のあるエリアは今まで頑張って登ってきた醍醐山の山頂です。私は標高450mの山を今まで登ってきたのか…と感慨深くなります。登山口まで徒歩72分もかかるのか…と遠い目にもなりました笑

醍醐山頂

こちらは山頂からの景色です。先ほどの「山上御案内」には「京都・大阪方面(中略)展望されます」って書いてたんですが、木々が生い茂りすぎて景色がほとんど見えませんでした😇

下山

スピードを意識してノンストップで山を下った結果、山頂から登山口まで33分29秒で行けました。山道を下るのは足を滑らせやすいですし足を挫きやすくもあるので、真似しないでください!

おわり

以上、上醍醐の参拝レポートでした!

上醍醐へ行くことを参拝と捉えると難易度が高いですが、登山と捉えて適切な覚悟と準備があればそれほど難しくないかなと思いました!

秋の少し肌寒い気候の中で行くのがちょうど良いので、みなさんもこの時期に是非とも行ってみてください👍

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