12年に1度の六波羅蜜寺の秘仏御開帳に初日参戦!当日の様子や知っておくと良いこと(2024年版)
こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。
12年に1度、辰年のあるタイミングに実施される京都・六波羅蜜寺の秘仏御本尊の御開帳が今日(11月3日)から始まりました!
西国三十三所を満願した身として行かねばならぬと思い、このために東京から京都に駆けつけ、初日の朝から参戦!
今回は、2024年の御開帳に初日参戦した身として、当日の様子や知っておいた方が良いことをご紹介します。
六波羅蜜寺の秘仏御開帳について
六波羅蜜寺とは
この記事を読んでいる人は六波羅蜜寺を知っていると思いますが、念のために説明します!
六波羅蜜寺とは京都市内の街中にあるお寺です。平安時代(951年)に空也上人が開いたとされ、千年以上の歴史があります。空也上人といえば口から6つの仏様を吐き出してるあの像(空也上人立像・重文)が有名ですが、あの像が安置されているのもこのお寺です。
六波羅蜜寺の秘仏御開帳
六波羅蜜寺の御本尊(最もメインの仏様)は十一面観音菩薩で、その姿をかたどった仏像「木造十一面観音立像」は、空也上人が六波羅蜜寺を開いたときからあるものと考えられており、国宝に指定されています。
空也上人が生きた時代と現代を繋ぐ文字通り尊い本尊像ですが、本尊像を納めた本堂中央の厨子が閉扉しているため、その姿を見ることはできません。
しかし、12年に1度、辰年の一定期間(1ヶ月余)のみ特別に扉が開かれ、その姿を直接拝める機会が訪れます。そんな特別な機会が本日から始まったわけです!
【十二年に一度】国寶 秘仏 十一面観世音菩薩 御開帳のご案内
https://rokuhara.or.jp/topics/archives/221
御開帳の期間は11月3日(日・祝)〜12月5日(木)の「33日間」です。「33」は観音菩薩が人々を救うために変化する姿の数とされており、「西国三十三箇所」「三十三間堂」など観音菩薩にゆかりのある様々なもので見られます。
期間中だけもらえる特別な「淵龍の護符」
御開帳の期間だけ、「淵龍の護符」というお札の特別バージョンがもらえます。淵龍の護符は六波羅蜜寺に祀られている龍頭に由来するもので、普段から白色のノーマルバージョンが用意されていますが、12年に1度の御開帳期間には数量限定で用意された特別バージョンが私たちに授与されます。
授与される機会だけでも滅多にないのに、この特別なお札は5色展開されており、12年に1度ごとに赤色→黄色→緑色→紫色→白色(飛龍の紋様入り)→赤色とカラーリングが変わります。つまり、同じ色のお札を入手できる機会は12年×5色=60年に1度しかないということです!
5色全て揃った家は家運隆昌するらしいです。みんなも12年×(5色-1)+1=49年かけて5色全部を集めよう!
当日参加レポ!
…という情報を知って、これは行ってぜひともお札をもらわねば!と思った私は、この三連休に関西の実家に帰省して、11月3日の朝に六波羅蜜寺へ行くことを決めました。
というのも、「淵龍の護符」は御開帳期間の最初の3日間に先着で500枚が授与されるからです!
X(旧Twitter)で調べてみても、六波羅蜜寺に言及している人がほとんどおらず、「これはもしかして一部の物好きしか知らないマイナーなイベントなのか…?」と疑った私は、もしそうならば早く行って門前で待っていても浮くだけだと考えて、9:00の開扉の10分前くらいに到着するように家を出ました。
しかし、これが完全に間違いでした。
なんと、朝7:00前の時点で既に列形成されてる旨の投稿があるではありませんか。
列が伸びていく旨の投稿がその後ちらほら現れ、思ったよりも厳しいイベントだと焦りながら電車・バスの中を過ごしました。
京都市バスの「河原町松原」バス停で降車したら、六波羅蜜寺まで5分くらいダッシュ!
開扉10分前の8:50ごろに現場に到着。その先に広がっていたのは、御開帳目当てに集まる人々で門前がごった返す様子でした…!
六波羅蜜寺の前を通る六原通りが片道120m×1.5往復=360m程度の行列で埋まっている!
しかも、列はさらに北端のT字路を右に曲がり、松原通の東向きに10m程度伸びていました。
「これ絶対先着500名に入るの無理やん!」と瞬時に悟りました。
その後も、列は恐ろしい勢いで伸びていき、しばらくすると最後尾が見えないくらい遠くまで離れてしまいました。
当初の予想に反して、ひたすら行列に並び続ける過酷な時間が始まりました。
幸いだったのは、昨日の大雨が嘘だったような快晴ながら空気が冷えていて心地よい天気だったことと、飲食店などの行列と違って回転が早くてストレスが溜まらない程度に列が進んでいたことでした。天候に関しては観音菩薩の力という他ありませんね!
人混みの量は本当に甚だしく、9時以降に来た人はことごとく「なにこれヤバすぎやんw」「完全にナメてたw」とボヤいてました。松原通沿いのお店の店主っぽいおじさんは店の前に立って長蛇の列を眺めながら、ご近所さんと思われる人たちと人混みの規模について雑談されてました。松原通ってただでさえ狭いのに車の往来が結構あって、行列や人混みの間を縫って運転するのめっちゃ神経使いそうだなと思って人ごとのように眺めてました。
文化財好きは100万回くらいみたHITACHIの文化財愛護の標識ですが、秘仏の仏像もいつも掲示されています。
ここに着いた時点で10:18(並び始めて1時間半後)です。このあとすぐに境内に入れそうな雰囲気がありますが、列はこの先100mくらい先で折り返して再びここに戻ってくるように伸びていて、まだ残り200mくらいあります😇
本当にお寺に入れました!この時点で11:17(並び始めて2時間半後)でした。つまり、約1時間で行列が200m進んだことになりますね。
この後、入ってすぐの弁天堂で一度お参りをして、その後本堂に伸びる列に並ぶ流れになります。先着500枚のお札はこのお堂で授与されていたようですが、さすがに終了していました。終了は並んでいたときの雰囲気から10:30頃かなと思います。
本堂に続く行列は10m弱のものが3列になっていて、列ごとに本堂に招かれます。ここは数分しか待ちませんでした。そして靴を入れるビニール袋を寺務の方から貰い、靴を脱いで本堂に入ります。
本堂では、中央列が空いていて、左右の適当な列に並ぶよう案内されました。中央列は本尊を拝むときだけ立ち入る形になっており、左右の内側の列に並ぶ方から案内に従って中央列に入ってお参り(お焼香)をして、終わったら左右にはけます。
左右の待機列は時間の経過とともに内側に詰めていくのですが、あと2列くらいのところからご本尊の仏像が視界に入るようになります。この時からゆっくりじっくり眺めておくのが意外とオススメです。
お参りは、お賽銭を皿に乗せてお焼香をする形式です。お焼香と聞くとマナーがよく分からん!ってなりがちですが、葬式よろしく前の人の姿が参考になりますし、お焼香台に「1人1回でお願いします」って明記されているので、回数に悩む心配もありません。
このお参りは立って行うので、身長とポジション次第では仏像が存分に見えません。さらに、後ろが詰まっているために時間をかけて眺める余裕もないので、待機列の頃から眺めておくのがオススメだということなのです。
先着500枚の授与から漏れて一度は諦めかけた「淵龍の護符」でしたが、本堂の左側で1枚目1,000円で授与いただけることが判明して、無事手に入れることができました!
お札は思っていたよりもはるかに大きくて、あらかじめ準備したA4クリアファイルに収まりませんでした(笑)
ちなみに、御朱印の列は本堂の列とは別にあり、これはこれでめっちゃ長そうでした…
私は、過去に西国三十三所巡礼でここの御朱印をいただいたことがあるので、今回はスルーしました。
私が並び始めた頃はごったがえしていた門前も、私がお寺を出た頃(11:45)にはだいぶ落ち着いた感じになってました。
ちなみに、先着500枚のお札の授与がある日は門前が車両通行止めになっています。
参加する前に知っておくと良いこと
というわけで、私が情弱だったり御開帳をナメてかかっていたために参拝までに2時間半以上を費やしたわけですが、この記事をお読みの方に同じ轍を踏んでほしいと思わないので、私がこの経験やその前後に知ったことをお伝えします。
初日はめっちゃ混んでる
これは完全にナメてました。おそらく私以外の多くの人が同じようにナメてたと思います。これには主に3つの理由があると思います。
- 頻度が少なすぎてどんなものか分からないから
- そもそも12年に1回しかやらないイベントなので、再現性があまりありません。12年経つと社会情勢や人々の嗜好が少なからず変わるので、前回の動向がそれほどアテになるか微妙ですし、そもそも過去の情報が乏しいのでよくわかりませんでした。
- 今回いたのは日本人ばかりでしたが、もし次の12年後までに海外にも六波羅蜜寺の御開帳のことが知れ渡れば、次の御開帳では外国人観光客も列に加わりより多くの人でごった返すかもしれません。
- ネットの事前反響が小さすぎたから
- 私は主にこれなんですが、前日までのXの検索結果を見れば分かる通り、この企画について言及してる人があまりにも少なくて、もしかして誰もこのイベントを知らないの?ってなりました。
- 今回いたのは見た感じ40〜50代以上の方が中心でした。つまり、XなどのSNSで積極的に発信しない層が動員されていたわけです。インターネットから見える景色は決して世の中の転写なんかでなくて、インターネットからでは見えないところに多くの人がおり、多くの行動が生まれているんだということを痛感する機会になりました。
- 普段の六波羅蜜寺が空いてるから
- 六波羅蜜寺って敷地がコンパクトで見たいものをすぐに見終えることができるので、おそらく参拝者の回転がめっちゃ早くて、境内が混雑しているのを見る機会が少ないんじゃないかなと思います。
- なので、「いつも空いてるお寺」ってイメージを勝手に抱いて、御開帳のときもいつもと同じ感じなんじゃないの?という誤った推測を立ててしまったのかなと思いました。
お札は御開帳3日目までの先着500枚が無理でもその日に入手可能
HPのお知らせやポスターをみても分からない情報なのですが、HP中の「各日御先詣500名様に授与」というのは先着500枚は無料であげますよってことであり、それ以降の人は手に入らないという意味ではありません!
前述の通り、先着500枚の無料授与が終了したら、本堂にて1枚1,000円で同じものを授与してくれます!
この情報、実は六波羅蜜寺のInstagramが10月30日に加えた投稿の本文欄に書かれていました!
HPに載っている情報が全てではありません。Instagramなど他の媒体の情報を集めることが重要であることが判ります。
お札は御開帳4日目以降も入手できる
これまたHPのお知らせやポスターをみても分からない情報ですが、「11月3日・4日・5日に限り」というのは先着で無料であげる日にすぎず、それ以降の日で手に入らないという意味ではありません。
11月6日以降は、前項と同じく1,000円で同じものを授与してくれます。
この情報は、先ほどのInstagramの投稿にもありますが、それよりさらに前の9月9日にX(旧Twitter)で告知されてました!
私は、この情報を知らなかったために初日参戦を目指したんですが、京都へ向かう新幹線に乗ってる時にこの情報を知り、「それなら別に今週やなくて良かったやんw」ってなりました😇
【11月7日追記】なんと、お札の授与終了が11月7日に発表されました…!お札は数量限定で御開帳期間中に終了する可能性があることは告知されていたものの、まさか1週間足らずで終了されるとは…
お札のコンプリートを目指す方は、御開帳の3日目までに参拝した方が良いですね。
おわり
というわけで、六波羅蜜寺の本尊御開帳初日レポートでした!
12年に1度しか貰えないお札「淵龍の護符」目的の人は、明日明後日に焦って行かなくてもOKです!しかし、御開帳の期間内でも無くなり次第終了なので、ある程度は急いだ方が良さそうです。
そして、明日明後日の開白法要目的の方は、混雑を覚悟して早朝にお寺に到着されることをオススメします!仮に今日みたいに混んでなくてガラ空きだったとしても、暇を潰せる良い感じのカフェが近くで8:00から開いているので安心です。
SAGAN (サガン) - 清水五条/カフェ | 食べログ
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26019282/
ちなみに、私はこれからこのお札を全色コンプリートすることを目指します👍
次の御開帳は12年後の2036年で私はアラフォーです。その頃には一体どんなことをしているのか楽しみ!