「人の金で食べる焼肉は美味しい」はウソ!本当に人の金で食べるべき食品6選!(#42)

こんにちは、おぐえもん(@oguemon_com)です。

「人の金で焼肉食べたい…」

インターネット上ではこうした願いを胸に抱く人がたくさんいます。人の金で焼肉界は、完全に需要過多の買い手市場。IT 業界が IT 人材の不足に悩んでいるように、自腹を切って焼き肉を食べさせてくれる人(もちろん物理的な意味でない)の不足にみんなが頭を抱えている状況です。

しかし、私は今や当然とされているこうした願いに疑問を抱いています。

  • 人の金で食べる焼肉は本当に美味しいのか。
  • 人の金で食べるべきなのは本当に焼肉なのか。

今回は、この素朴な疑問に回答を与える形で現代社会に浸透する暗黙の常識に一石を投じる問題作です。

ふつうに考えて自分の金で焼肉を食べる方が美味しい

「人の金で焼肉を食べたい」という前に、まず自問自答したいのが、「人の金で食べる焼肉は本当に美味しいのか」という問いです。

私が考える解はこちら。

自分の金で食べる方が美味しいに決まってんだろ!!!

人の金で食べる焼肉がそれほど美味しくなく、自分の金で食べる焼肉の方が美味しい理由があります。

人の金で焼き肉を食べた場合に生じる欠点に着目して説明します。

理由1. お返しをしなければと思ってしまう

心理学において、返報性の原理という性質が唱えられています。これは、人が他人から施しを受けたときに、何かしらのお返しをしなければと考える心理です。

焼肉は決して安価ではないので、人に奢ると相当な負担が生じます。なので、多くの人は、人の金で焼肉を食べても、

  • こんなに奢ってもらって良いのだろうか…
  • 何をお返しすべきだろうか…

と考えてしまい、焼肉を心の底から楽しめないはずです。

もちろん、既に十分な貸しがある人がお返しとして奢ってくれた場合なら問題ないと思います。逆に言うと、そうした例外的な背景がなければ人の金で食べる焼肉を美味しくいただけません。「人の金で食べる焼肉は美味しい」と一概に言えない理由です。

理由2. 裏を変に勘ぐってしまう

上記の返報性の原理は、試食をはじめ様々なセールス手法に応用されています

例えば、私が就活をしていたとき、人材紹介サービスの人の金で焼き肉を食べたことがあります。もちろん、その人が焼き肉を奢る意図は、"逆求人イベント"への参加をお願いするためのものでした。職場の先輩も、保険会社の人の金で焼き肉を食べたことがあるそうですが、保険の加入をお願いするためのセールスだったことは言うまでもありません。

突然お願いされるよりも、はじめに焼肉をタダで食べさせてくれた方が、お願いを聞いてあげようという気になりますよね。

セールス目的なのがはじめから明らかならまだ気が楽ですが、そうでない場合もありえます。そして、後から明かされたお願いの中には、受け入れたくないお願いがあるかもしれません。

人の金で焼き肉を食べると、その裏に何かがあるんじゃないかと勘繰ってしまい、これまた焼肉を美味しく食べられない一因になります。

理由3. 自分の努力がこもってない

コントラフリーローディング効果の観点から導き出される理由です。

コントラフリーローディング効果とは、ただ与えられたものよりも苦労して手に入れたのもの方が好まれる傾向のことです。人間にあてはまるのはもちろん、餌を用いた実験により多くの動物で確認されている生物普遍の性質です。

さて、人の金で食べる焼肉は、焼き肉の対価を他人が払っていて与えられた焼肉とも言えるものです。一方で、自分の金で食べる焼肉には、焼き肉の対価を稼ぐための圧倒的な努力が伴っています。どちらの焼肉がより美味しく感じることができるかは言うまでもないですよね。

人の金で食べる焼肉が美味しいのはこんなとき

いかなる場合も「人の金で食べる焼き肉<自分の金で食べる焼き肉」が成り立つわけではありません。

上で挙げた 3 つの理由のそれぞれには、理由にあてはまらない例外を考えることができます。そうした理由が重なり合ったとき、人の金で食べる焼き肉が、自分の金で食べる焼き肉を凌駕するかもしれません。

  • 既に十分な貸しがある人のお返しとしての焼肉(理由1の例外)
  • 疑う余地のない親密な関係の人の、意図が明確で許容範囲内にある焼肉(理由2の例外)
  • 自分が相応の努力をした結果手に入れた、人の金の焼肉(理由3の例外)

こんな条件を満たす焼肉を探すくらいだったら、とっとと働いて金を貯めて、自分の金で焼肉を食べたらええやないか!!!

人の金で食べておきたい食べ物とは

本当に美味しいのは、自分の金で食べる焼肉です。

しかし、百歩譲ったとしても、人の金で食べるべきなのは焼肉以外にあると考えています。

もっと踏み込むと、どうせ人の金で食べるなら自分が金を払ってまで食べたくない意味わからんものを食べるべきです。

このメリットを簡単にまとめておきます。

  • リスクなしで新体験を得られる
    • 食べたことのないものを食べることは、食べた人に経験と知見を与える有意義なことです。しかし、それでも人々が食べたことのないものに手をつけないのは、万が一にも超マズかったら、自分が支払った対価との釣り合いが取れない場合があるというリスクを回避しているためです。人の金で食べたら、結果としていくら不味くてもノーダメージです(口の中はダメージ負うけど)。
  • 人の金で食べることに恐縮しなくなる可能性がある
    • 人の金で食べる焼肉が返報性の原理をもたらす理由は、焼肉は価値の高いものであるという認識がすでに確立されているから。もし、「自分が金を払ってまで食べたくない意味わからんもの」がアホみたいに不味かったら、「よくもこんなマズいものを食べさせやがったな」という怒りが現れ、返報性の原理の効果が薄まる or 無くなります。
  • 偏見なしで味を評価できる
    • 新しいものを食べた感想は客観的である方が今後の役に立ちます。自分の努力の結果として手に入れたものならば、コントラフリーローディング効果によって味の評価にプラスの偏見がかかってしまいます。その辺り、人の金で自動的に手に入れたものならば、愛着がないのでより客観的に評価できます。

この観点から、自分が金を払ってまで食べたくない意味わからんものをいくつかピックアップしました。

「人の金で ◯◯ 食べたい…」とつぶやく際の参考にしてください。

ドリアン

なぜか分からないが果物の王様と呼ばれている果実。トゲトゲした見た目はインパクトがあって、強い匂いがあるというウワサこそ耳にしますが、もちろん食べたことがないので真偽は定かではありませんし、わざわざ買ってまで検証しようとも思いません…

くさや

匂いつながりで今度はくさや。名前と見た目は有名ですが、姿を見るのはテレビの画面か漫画の紙面の中だけ。実際にどんな匂いなのかを知る人は僅かだと思います。「くさいけど食べてみると意外と美味しい」なんて出所不明の証言もありますが、これまた真偽は謎です。ちなみに伊豆の島々における伝統的な保存食だそうです。

シュールストレミング

またもや匂い繋がり。ここ 10 年くらいの間で耳にするようになった激臭食品の新定番。世界一臭い食べ物と称され、たびたび YouTuber のネタにされるのを見かけます。匂いが数日間も残るなんて聞くので、自分で買って自宅で味を確かめるなんて言語道断。友達や先輩に「最近シュールストレミング買ったんだけどさ、私の家で一緒に食べてみない?」と誘われるのを待つばかりです。

チャウチャウ

チャウチャウって犬種の一つですが、なんでも中国ではペットとしてのみならず食用犬としても扱われているようです。日本の文化からすると「犬を食べるってどゆこと!?」って感じですが、豚や鶏と違ってどんな味なのか気になるところです。が、これまた買ってまで確かめたいとは思いません。

高麗人参

ただのニンジンと何が違うんや。エナジードリンクによく配合されているニンジンですが、字面でしかみたことがありません。

ニンジンギライの幼稚園児も、高麗人参ならばパクパク食べてくれるのか。お馬さんに高麗人参をあげたらいつもよりも元気よく走ってくれるのか。まだ見ぬ謎野菜を前に想像が膨らみます。

キャビア

世界三大珍味のひとつで、高級食品の代表格であるとは聞くものの、実際に食べる機会がほとんどない食品。三大珍味は「珍味」なだけで、必ずしも「美味」でないとの声を聞くが、実際のところどうなのか…

実は、キャビアに関しては、高校のときに実食する機会がありました。それは、隣のクラスの友達が父の土産にキャビア瓶をもらったからみんなで食べようという流れ。まさに、自分が金を払ってまで食べたくない意味わからんものを人の金で食べる状況です!

スプーン一杯のキャビアを実食した結果、「小粒で酸味の強いイクラ」という評価を下して、今後も自分で買ってたべることはないだろうなあと思いました。

まとめ

今回の記事で私が伝えたかったことです。

  • 焼肉は人の金で食べるよりも、自分の金で食べた方が美味い。
  • 人の金で食べるべきなのは、自分が金を払ってまで食べたくない意味わからんもの。

これから Twitter で「◯◯ 食べたい」系の投稿をするときは、次のように改めてね。

#自分の金で焼肉食べたい

#人の金で高麗人参食べたい

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